娘自慢の裏には・・・

ちよみ

2013年01月23日 19:05

娘自慢の裏には・・・




    知恵袋に、「京大出て監査法人勤務の26歳の娘が同い年で高卒の自動車整備士と結婚したいと言い出しているが、学歴、職業、家柄までもが全て釣り合わない。夫は賛成しているのだが、わたしは何とか娘に彼氏を諦めさせたい。どうしたらいいか、アドバイスをお願いします」という、母親からの投稿があった。

    この母親が書くことには、母親自身も夫も同じ大阪大学出身で、母親は元会計士、夫は弁護士だそうだ。

    文章から読みとると、夫婦ともに50代というところか・・・。

    行間には、こんなに素晴らしい家柄の夫婦の娘を、何処の馬の骨とも判らないような高卒の自動車整備士などにくれてやるなど、とてもプライドが許さないというような趣旨が、嫌というほど垣間見られる。

    「夫は結婚に文句はないようだが、私は我慢がならない」----これが投稿者の本音だろう。

    「高卒の人をバカにするわけではないですが・・・」と、一応は書いているが、「個人的には不釣り合いだと思う」ということも重ねて述べているため、まあ、バカにしているということなのだろう。

    回答者の中には、

    「本当に不愉快な質問だ」とか、「東大大学院まで出ている人でもニートはいる。学歴で人を判断するな」という意見が多かったが、

    「京都大学など出ている女性が結婚相手を見付けるのは至難の業だ。もらい手がある時が花。その彼と結婚させなければ一生独身だよ」

    という実に言い得て妙のアドバイスもあった。

    もちろん、「お母さまの言うこと、至極もっともです。娘さんの一生がかかった問題ですから、焦らず考えるべき」という母親肯定派も少ないがいた。

    しかし、この質問内容をよく読んでみると、投稿者が言いたいことは、娘の将来が心配だということよりも、他に何かあるのではないかと思えてきた。

    それは、自分という人間が如何に世の中から尊敬されるべき者なのかという「自慢」なのではないだろうか。

    投稿者が元会計士ということは、今は仕事はしていないということなのだろう。

    つまり、「自分は人一倍の才能や学歴があるにもかかわらず、結婚後は一主婦として夫の陰で暮らして来た。自分だって一人の人間として認めて欲しい」という強い思いが、こんな非難を浴びるも当然の投稿文を書かせてしまったに違いない。

    「この質問自体釣りでしょ?」という声があるように、学歴から職業まであまりに克明に記されている投稿には、

    「おばさん、何処の人か知っている。わたしの友だちのお母さんでしょ?あの子のお母さんて、こんな考えの人だったんだ」

    と、いう回答者の一筆もあった。

    おそらく投稿者は、娘の結婚にかこつけて、

    「わたしは、こんなにも頑張って娘を育てて来たのよ。夫は弁護士で、わたしだって会計士の資格を持っている。皆さん、わたしたち家族って素敵でしょ?羨ましい?」

    と、言いたかったのだと思われる。

    専業主婦の中には、自分が社会から抜け者にされているのではないかとの不安を抱える人もいる。

    娘が独り立ちしようとしていることで、もはや娘をダシに自分の存在を確認することも出来なくなってしまうと思った母親の、一抹の寂寥感がこんな高慢投稿をさせてしまったのだろう。

    先に書いた娘の友だちという回答者は、「早くこの投稿削除して!ベストアンサーが決まったら、削除出来なくなるから」と、心配していた。

    でも、ベストアンサーは決まってしまった。

    「奥さまの昔の頭(常識)を平成の頭に切り替えて下さい」

    というものである。

    50代----もはや、若くはないといわれる年齢に達して、自分ももう一度一人の人間として注目されたいと、焦り始める女性も多いのかもしれない。
    
<今日のおまけ>

    あるテレビ番組で、「羽毛の掛け布団を使っている人は、布団の下に毛布(化繊)を掛けるのではなく、布団を掛けてからその上に毛布を掛けた方が、温まり具合が2度ほど高くなる」と、話していたので、さっそくやってみた。

    羽毛には、人の身体から出た湿気を感知すると、それを熱にして蓄えるという性質があるらしい。

    布団の上にかける毛布は、羽毛が蓄えた熱を逃がさない働きをするという。

    ・・・と、確かに化繊の毛布を使う場合は、こうした方が暖かな感じがした。

    毛布がウールの場合は、また違うのかもしれないが、いいことを教えてもらった。
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