日々の雑感 5

ちよみ

2013年01月24日 12:37

日々の雑感 5



    この話題については、以前にも書いたことがあったが・・・。

    以前から気になる言い方がある。

    「~~してあげる

    と、いう言い方だ。これは、一見相手のためを思っているような言い回しに思えるが、実はそうではない。

    こういう言葉を無意識に使う人は、相手よりも自分の方が立場が上だと思い込んでいる人なのである。

    スポーツ選手が時々口にする「皆さんに、自分の頑張っている姿を見せてやる----と、いう気持ちでスタートラインに立ちました」などという言葉も、実はスポーツ選手の中の無意識のおごりが反映しているのである。

    本来ならば、「皆さんに、自分の頑張っている姿をお見せしたい----」もしくは「見て頂きたい----」と、いうべきであろう。

    ある宿泊施設の経営者も、かつて、こんな話をしていた。

    「うちのお客さんは、自由に商店街で買い物が出来るように、旅館から出してあげている」

    これに対して、わたしは、

    「そういう傲慢な言い方はやめた方がいい。宿泊客はあなたの旅館の所有物ではないはずだ。出してあげているなどという言い方は無礼ではないか」

    と、諭したが、相手にはその意味が判らなかったようで、未だに「~~してあげる」「やってあげている」という言い方をやめようとはしない。

    つまり、その経営者の気持ちの中に、自分は他の人間よりも偉いという根拠のない貧弱な虚栄心が巣食っている証拠なのである。

    気が付かなければ、ついつい口から出てしまう「してあげる」「やってあげる」という言葉だが、これを聞くたびに、

    「あなたは、いったい何さまのつもりか?」

    と、訊ね返したくなるのである。





<今日のおまけ>


    「元気をあげる」「勇気をあげる」などという言い方をされると、「別に結構です!!」と言いたくなる。

    元気や勇気なるものは、人からもらうものではないし、人にあげるものでもない。

    自ら見つけ出すものであり、自ら育てるものである----と、わたしは考える。

    ましてや、人さまに軽々しく「元気をあげます」などと言うのは不遜ですらある。

    大人なら、もう少し言葉使いに気を付けよう。

    

        
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