暴力教師の誤算

ちよみ

2013年01月30日 17:31

暴力教師の誤算




    大阪市の桜宮高校の体罰問題がクローズアップされてからというもの、各都道府県内での教師による理不尽な体罰の現実が次々に明るみに出て来るようになった。

    (今日は、全日本女子柔道監督が選手たちに体罰を加えていた事実が発覚し、柔道界に激震が走った)

    北信地域の中学校でも、教師による生徒への暴力が発覚し大問題になっている。

    他県の駅伝名門高校では、女子生徒が衆目の中で教師に顔を殴られ、それがきっかけで心的外傷後ストレス障害を発症し、退学を余儀なくされたり、教師にデッキブラシで頭を殴られ、四針も縫う大けがをしたあげく転校させられた男子生徒もいたという。

    しかも、その事実を学校は隠ぺいしただけではなく、「生徒側から問題を大きくしないで欲しいという要望があった」などという、あり得ない言い訳をする始末だ。

    教師が加えた暴力に関しても、「頭をコツンとデッキブラシで小突いただけ」と、記者会見でもこの期に及んで平然と教師を庇うような発言をしている。

    コツンと小突いただけで、四針も縫う大けがを負わせることができるであろうか?自分の発言にさえ矛盾を感じないほど、校長の常識は崩壊しているのである。

    中学生や高校生といえば、人生の中でももっとも羞恥心を感じる年頃である。

    にもかかわらず、他の生徒たちの面前で顔を殴られるなど、その女子生徒や男子生徒にとっては、痛みよりも屈辱の方がどれほど心を傷つける結果となったことか・・・。

    そういうことすら判らない教師とは、どういう神経の持ち主なのかと、その人間の精神状態の方が危ぶまれる。

    では、人前でなく隠れて殴るのなら許せるのか?ということだが----まあ、腕っ節に自信のある生徒ならば、むしろその方が返り討ちに合わせることも可能なので、日ごろの恨みを晴らすチャンスといえないこともないだろう。

    まさか、誰も見ていないところで、生徒に殴られましたなどと言っても、今度は事なかれ主義の学校側から「沈黙」を強いられるのは教師の方になるだけの話である。

    しかし、いずれにしても、こうした暴力教師が何故次から次へと現れるのか・・・ということである。

    こうした教師たちに共通していることは、生徒は卒業してしまえば二度と自分の前へ姿を現わさなくなるはずだ----という、極めて偏った思い込みをしているという事実なのである。

    暴力教師たちは、自分たちを「学校」という名の治外法権地区に生息している存在で、一般社会とは隔絶した人間たちだと愚かにも信じているのだ。

    しかし、暴力を受けた生徒たちは大人になりながらも決して加害者教師のことを忘れてはいない。

    桜宮高校のバスケ部の顧問は、おそらくこれまでに何百人という自らを恨む生徒たちを社会に送り出しているわけである。

    そのかつての生徒たちが、自分や自分の家族に絶対復讐しないと、どうして決めつけられるのだろうか?

    要するに、そういう人として常識的な危機意識や恐怖、不安すらも感じないほど、もはやこの教師の精神は破たんしていたのである。

    平気で生徒に暴力をふるう教師たちは、通常持ち得ているはずの人間的心理が欠損しているモンスターといっても過言ではないのだ。

    生徒はいつか大人になる。

    子供の時は何も判らず、抵抗の仕方さえ知らないがために教師のなすがままに殴られていたとしても、大人になればそういうわけにはいかない。

    子供の頃に受けた苦痛や屈辱は決してその人間の心の中から消えるものではなく、むしろ時が経つにつれてさらに深い憎悪に変わるだけのことである。

    現在、80歳を超える人たちでさえ、小学生の頃に自分を殴ったり、廊下へ立たせた教師の顔は鮮明に記憶しているし、思い出すとその当時の教師に対する怒りがぶり返して来ると言う。

    子供に暴力をふるうということは、つまりはそういうことなのである。

    ニュース番組に出演したスポーツ・ジャーナリストの一人は、

    「スポーツとは、気分転換や息抜きのために行なうもので、人から命令されてやるものではない。ましてや、強くするために殴るなどという指導しか出来ない人は、指導者としての無能を証明しているも同然。スポーツ界からの永久追放が妥当!」

    と、バッサリ斬り捨てた。

    
    
<今日のおまけ>


    世の中、腹の立つニュースばかりなので、こういう時に観て気分をスカッとさせたいならば、やっぱり、『SEX AND THE CITY』がいい。

    ニューヨークに住む四人の四十~五十代女性が友情と恋愛に悩みながらも逞しく前進する、都会派のラブ・コメディだ。

    ちょっとダサいくらいに派手派手のファッションが最高に楽しい。



    
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