意地悪な通せんぼ
意地悪な通せんぼ
我が家から某ホームセンターまで歩いて行くには、どんなに近道をしても片道15分はかかる。
それが、高齢者の足となると、20分以上は要するだろう。
それでも、これまではホームセンターの裏から入ることが出来る路地のような細い道があったので、近所のお年寄りたちは、皆、そこを通り抜けて買い物に行っていた。
途中には急な坂もあって、かなり体力的にはきつい道程なのだが、高齢者たちはゆっくりとした足取りで歩き、何とか買い物を済ませるのだ。
わたしも、その店に用事がある時は、同じ近道を使うのが普通なのだが、先日、いつもの調子で同店の裏側から路地を通って店舗側へ入ろうとしたところ、路地の前に鎖がかけられ、
『私有地につき、通り抜け禁止』
の看板が----。
他に入れる路地はないかと探すと、もう一箇所通り抜けできると思われる場所があったのだが、そこにも二重に障害物が置かれ、通せんぼされていた。
これでは、かなり遠回りをしなければ、店にはたどり着けない。
仕方なく延々歩き続け、相当の大回りをしてやっとの思いでホームセンターへ到着した。
何と、家から30分以上もかけて歩いた計算になる。
近所の人たちにその話をしたところ、膝に不安のある人などは、
「そんなに歩かなければならないなんて、もう、あの店には徒歩で行けないね」
と、困惑していた。
看板には私有地と書いてあったが、厳密に言えばあそこは区の地所である。
たまに通り抜ける買い物客ぐらい、大目に見てくれてもいいのではないかと思うのだが・・・。
何とも世知辛い世の中になったものである。
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