母親の膝痛
母親の膝痛
高齢になると、「どうして、こんなところで?」と、思うような、特に段差もない平たんな場所でさえつまずいて転んだりすることが起きる。
要は、本人的にはしっかり上がっていると思い込んでいる足のつま先が、実際は上がり切っていないということなのだ。
そんな訳で、先日のこと、まったくの平らな場所であるにもかかわらず、母親が転んで膝をついた。
ただそれだけのことなのだが、思わずついた片膝に激痛が走り、たった数メートルの距離も歩けなくなってしまった。
普通ならば車に乗せて、即病院へ----と、いうことになるのだろうが、そう簡単な問題ではない。
母親は、極度の車酔いを起こす人で、以前、車酔いがもとで、救急車で運ばれたという実績の持ち主でもある。
病院へ行くにも、それ相応の周到な準備が不可欠なのだ。
車の窓は全開にして、スピードは超がつくほどのノロノロ運転。運転を始めて五分も経たないうちに吐き気をもよおしたので、止まり、止まり進む。
通常ならば20分程度で到着する距離を、1時間もかけて病院へ運んだ。
病院では、もやは車椅子に座ることもままならず、看護師さんにストレッチャーを借りて横になり、そのままの体勢で診察室へ----。
しかも、ストレッチャーが動くたびに、気持ちが悪いと嘔吐する始末。
それでも、何とかレントゲン検査を終え、救急の担当医師に診察結果を聞くと、
「膝の変形はありますが、大したことはありませんね。打撲でしょう。痛み止めと湿布薬を出しますね」
とのこと。ならばと、ついでに車の酔い止めも頂いて、またぞろ、ノロノロ運転で帰宅した。
膝はまだ痛むようだが、それでも今は何とかゆっくりならば自力で歩けるまでに回復している。
とにもかくにも、高齢者のつまずきには要注意である。
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