昼さがり

ちよみ

2009年05月17日 21:25

昼 さ が り



    木(こ)の暗(くれ)を

    苔の花むす

    木の暗を

    矢がすりの   かろく歩めば

    縹色(はなだいろ)なる   時の狭間に

    白南風(しらはえ)の   そよと   誘(いざな)う

    百年歳(ももとせ)の   

    古址(こし)は   桃源に   うるおい

    眼間(まなかい)に   

    しめやかなる    緑酒のまどろみ

    矢がすりは   うすく   香(にほ)ひて

    ほのぼのと

    日和の   余韻(ふみ)を

    押し抱ける   昼さがり 

    矢がすりは    かろく歩める

    木の暗を   そそと   歩める 




 

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