清 恋 譜 (せいれんふ)

ちよみ

2009年07月04日 23:28

「 詩 」


清 恋 譜 (せいれんふ)



    山の湖水に眠れる女(ひと)は   


    淡いすみれに似るという


    黒髪濡らす朝露に   


    愛のおわりを知るという


    君よ 君よ   今は ただ


    やさしき微笑み のこるだけ


    その名を呼びて佇めど   


    風が水面(みなも)を吹くばかり


    山の湖水に眠れる女(ひと)は   


    過去を語らぬ女(ひと)となる






    山の湖水に眠れる女(ひと)は   


    夢にこがれて泣くという


    草笛ふけば かの女(ひと)の   


    嘆きの詩(うた)と人はいう


    君よ 君よ   今は もう


    冷たく青き 水底(みなそこ)に


    面影追いし泉には   かろく花びら舞うばかり


    山の湖水に眠れる女(ひと)は   


    過去を語らぬ女(ひと)となる





    
    君よ 君よ   今は ただ


    哀(かな)しき想い   馳(は)せるだけ


    木(こ)の間に もれる   月光(げっこう)が


    恋を縁取る   鎮魂曲(レクイエム)


    山の湖水に眠れる女(ひと)は


    過去を語らぬ女(ひと)となる






       
<今日のおまけ>

    うちの甥っ子たちは、実にユニークな奴らです。

    それも、特に、小さい方が・・・・・。小学校一年生の時、「お友達出来た?どんな子?名前は?」と、訊ねたところ、あいつは、真っ白なちっちゃい顔をうるさそうに歪めて、こう言ったのです。

    「それを聞いて、どうするんだ?」

    「な、なにを~!?」

    わたしは思わず、奴の胸ぐらをつかみました。それに、こんなこともありました。

    賞味期限が切れている菓子パンがあったので、もったいないと思い食べてしまったところ、その甥っ子が、

    「ぼくが食べようと思っていたパン、どうして食べたんだ?」

    というので、日付けが過ぎていたから、食べたんだよと、答えたところ、その甥は、

    「日付けが過ぎているのを、どうして食べたんだ?」
 
    と、言うのです。奴はその時、まだ、幼稚園児でした。とにかく、口の減らない子供です。

    身体もさほど大きくなく、顔立ちも女の子みたいなくせに、頭の回転がやたらに速い。

    話をするたびに、こちらが凹まされています。
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