絶妙な距離---2.195キロ

ちよみ

2012年08月22日 22:29

絶妙な距離---2.195キロ



    何故、マラソンの距離は、42.195キロなどという中途半端なことになってしまったのかといえば、104年前のロンドン五輪でのコースは、当初、イギリス王室が所有するロンドン郊外のウィンザー城を出発し、名門のイートン校やハロー校などを経由する競技場入り口までの約40キロの予定だったそうなのだが、当時の英皇太子が、「子供たちにスタートを見せたい」と望んだために、この端数が生まれてしまったというのが、有名な説ではある。

    しかし、これには他の説として、「最後の385ヤード(352メートルは)王室関係者だけではなく、約10万人の観客にもレースを楽しんでもらうために生まれた」という理由もあるのだという。

    この不思議な端数だが、元マラソン選手の瀬古利彦さんは、この端数があったからこそ、マラソンは劇的なドラマを形成するスポーツとなり得たのだと話す。

    「(この端数は)実に不思議な距離で、マラソンは40キロを過ぎてからドラマがいっぱいある。35キロからが本当の勝負と言われるが、最後の2.195キロで練習した人としてない人の差がはっきりと出るのだ」

    と、いうのである。

    この約2キロ延びた距離は、「ドランドの悲劇」のような五輪史で語り継がれる物語を生んでもいる。

    イタリア選手のドランド・ピエトリは、ゴール手前で意識がもうろうとして、何度も倒れては起き上がるを繰り返しながら、息も絶え絶えに競技役員の手を借りてテープを切った。

    しかしこの後、「助力を受けた」というアメリカの抗議によってピエトリは失格となり、二着のジョニー・ヘイズが金メダルを獲得したのだった。

    今回のロンドンオリンピックでも、男子マラソンは、正にこの端数の戦いでもあった。

    1908年のロンドンオリンピックで偶然に生まれた2.195キロではあるが、これがあったからこそのマラソンともいえるのであろう。



<今日のおまけ>


    先から二時間ほど、ナガブロのトップページが表示されなかったり、ログインが出来なかったので、事務局へ問い合わせた。

    何かのトラブルだったのだろうか?

    そんな訳で、今日はブログをお休みしようと思ったが、今アクセスしたらページが開いたので一応書いておく。


    で、あまりの暑さと鬱陶しさに負けて、理容院で髪を切ってきた。

    雷鳴がとどろいていたので、また大雨にでもなるかと心配しながら出かけたのだが、何とか空はもってくれた。

    理容院へ到着したら、理容師さんの様子が何となく慌ただしい。

    聞けば、「親戚の女性が昨日突然死してしまい、お葬式があるので、店を閉めたらその準備に出かける」という。

    そういうことなら・・・と、髪を染めるのはやめにして、カットだけしてもらった。

    「昨日、旦那さんと食事をしてご機嫌で帰宅したらしいんだけれど、家へ帰ってからすぐに倒れたんだって。救急車で病院へ搬送されてから二時間ほどで、亡くなっちゃったらしくて、旦那さんは何が何だか判らないって呆然としていた」

    とのこと。やはり、この猛烈な暑さが原因なのだろうかと、理容師さんは困惑していた。

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