心理の法則
心理の法則
犯罪捜査に役立つ心理学に「
一致法」と、「
差異法」というい二つの方法があるそうだ。
「一致法」とは、容疑者がA、B、Cの三人に絞られた時など、現場でAを見たという目撃情報に合わせて、Aと現場との共通点を徹底的に捜査するという方法である。
現場にはAとの共通点はあるが、B、Cとの共通点が見当たらないという場合、犯人はAの確率が高いという結論に至る。
しかし、この方法だけに頼っていては、もしも犯人がA、B、Cの三人以外にいた時、Dというもう一人の容疑者を想定しないまま結論を出してしまうかもしれないという盲点があるそうだ。
そこで、もう一つの「差異法」と併用することで、この盲点をカバーできるのだという。
「差異法」は、「一致法」とは逆に、AとBの間に何か違う点はないかと考える捜査方法だという。
たとえば、修学旅行先でA高校とB高校が同じホテルに宿泊していたにもかかわらず、A高校の生徒だけが食中毒になった。
こういう場合、A高校の生徒たちがB高校の生徒たちと何か違う食べ物を口にしなかったか?----を、探るのである。
すると、A高校の生徒たちは、夕食後、ホテルを抜け出し寿司を食べに行ったことが判ったとする。
つまり、食中毒の原因は、寿司ではなかったか?との結論が導き出せるということなのだそうだ。
ある事件が起きると、その事件現場と共通点がある人物は誰か?そして、その人物は、他の容疑者とどこが違うか?
これらを考えることで、真相が見えて来ることもある----という心理の法則の一例である。
<今日のおまけ>
知恵袋に、「子供が学校で出された宿題の作文に嘘を書くので困る」という保護者からの投稿があった。
この子供に訳を訊けば、「書くことがないので嘘を書いた」と、答えたそうだ。
回答者の中には、
「自分も子供の頃は嘘を書いていた。あまりに平凡なことは作文にならないと思ったし、家の中で起きていることをそのまま書けば、先生から色々質問されて煩わしい。子供は、嘘を書くことは良くないと自覚しているが、やむを得ず書いているだけなので、そう心配することはない」
と、いうものもあった。
確かに、普通の日常は、そうそう特別なイベントがあるわけでもないし、他の子供たちの作文に比べて内容的に平凡だと思えば、行ったこともないレストランやアミューズメントパークの話など嘘を書きたくなる気持ちも判る。
子供は、良く自分で作った「嘘歌」を歌うこともあり、想像力の逞しさは大人の比ではない。
わたしが小学生の頃の担任教諭は、作文に子供自身で創作する物語を書かせることが多かったし、クラス全員で次々に連作しながらストーリーを組み立てて行く長編小説に挑んだこともあり、今でも画期的な試みだったと思う。
家庭の事情で本当のことが書けない子供の心情も考えれば、教育現場では、こうした想像による作文も良しとして欲しいものである。
関連記事