虚偽か?真実か?

ちよみ

2012年10月13日 10:03

虚偽か?真実か?





    この秋は、カメムシ(通称ヘッピリムシ)が大量発生している。

    この間なんて、外湯へ持って行ったバスタオルの間に一匹挟まっていて、危うくそのまま湯上りの身体を拭きそうになってしまった。(・_・;)

    奴らは何処に潜んでいるか判らない。(ーー;)

    隣家の奥さんは、「窓を開けておくと、裏の杉林からすごい数が飛び込んで来るので、気が気じゃないわ」と、言う。

    洗濯物を取り込む際も、要注意だ。




    ノーベル賞受賞が決まった山中教授は、ヒトの皮膚細胞に遺伝子を注入してiPS細胞を作り出す段階で留まっているのに対し、自称・ハーバード大学客員講師の森口尚史氏は、肝臓の細胞に化学物質を加えてiPS細胞を作り出したうえ、実際に患者に移植したと主張しています。ところが、大学側は「彼は在籍していない」「いかなる研究も承認していない」と森口氏との関係を否定しています。

    森口氏は今年2月以降、心不全の患者6人に、患者本人の肝臓から作ったiPS細胞を心臓に注入し、治療に成功したとしています。これに対し、ハーバード大学は、森口氏が1999年から2年間、提携病院の客員研究員だったことは認めながらも、「手術を承認したことはなく、森口氏本人も大学や病院とは関係はない」としています。
    森口尚史氏:「ハーバード大医学部の客員講師の肩書で発表させて頂いてますので。(証明する)書類は日本に帰ったら家にありますので」
    森口氏は11日、ニューヨークで開かれている学会で研究成果を発表する予定でしたが、姿を見せませんでした。主催者側は、研究内容に疑問があるとして森口氏のポスターなどを撤去しました。(YAHOO!ニュース)


    このニュースが出た時点で、(?_?)だったのだが、この報道には山中教授もビックリだろう。

    森口氏の主張するips細胞は、肝臓から採取した細胞に二種類の化学物質を加えてips細胞を作るというものらしいが、山中教授の方は、皮膚細胞に四種類の遺伝子を導入して作るというもので、この際発がん関連遺伝子も因子に加わるために、細胞のがん化が起きることが問題となっているのだそうだ。

    ただ、この発がん関連遺伝子を除いた三因子だけでも、ips細胞を作ることは可能だそうだが、作出効果がかなり低下するともいわれる。

    果たして、森口氏は、この難題をどうやって解決したのであろうか?

    そして、細胞移植は、何処の病院でどのようにして行なったのだろうか?

    ぜひとも訊いてみたい。


    で・・・、

    iPS細胞の心筋移植問題で、東京医科歯科大学は12日、日本人研究者森口尚史氏がiPS細胞を使って、C型肝炎の薬の効果的な組み合わせを発見したとする2010年5月の読売新聞の報道について、同大で研究を行った事実はないと発表した。(YAHOO!ニュース)


    こんなこともあったんだなァ。

    専門家でさえ、山中教授がノーベル賞を取るまでは、この問題にあまり関心がなかったということなのだろうな。

    もしも、関心があったのならば、2010年の報道があった時点で大騒ぎになっていたはずだから。

    こうした疑義の研究が続々出て来る可能性も捨てきれないので、京都大学はips細胞の一連の研究について特許を取ろうと考えているのかもしれない。

    そうなれば、今度は京大の認可なしでは他の大学病院などはips細胞治療が出来ないということになるのだろうか?

    社会倫理の観点も含めて、この研究の前途には極めて難しい問題が山積しているようだ。





        
<今日のおまけ>

    読売新聞は13日付の朝刊で、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床応用を森口尚史氏が行ったとする報道について「同氏の説明は虚偽で、それに基づいた一連の記事は誤報と判断した」との見解を示した。その上で11日朝刊1面「iPS心筋移植」などの記事に誤りがあったとして、「おわび」を掲載した。

    読売新聞は記事の中で、森口氏の論文の「共同執筆者」とされる大学講師が論文執筆に関与していなかったことや、研究成果について米ハーバード大の関係者らが真実性を否定していることなどを根拠に、虚偽と判断したと説明。11日朝刊1面のほか、その関連記事である3面、同日夕刊1面などの記事に誤りがあったとしている。

    また、検証記事の中で大橋善光・東京本社編集局長は「『事実だ』と主張し続ける森口氏の説明は客観的な根拠がない」「見抜けなかった取材の甘さを率直に反省する」などとし、今後も徹底的な検証を続ける姿勢を示した。(YAHOO!ニュース)



    結局、読売新聞のスクープを狙った勇み足ということなのだろうが「誤報」を謝罪しても、森口氏がips細胞を実用化したのは事実だと言い続けていることの説明にはならない。

    記事を書いた責任上、その理由をしっかりと検証して欲しい。

    もしかしたら、百歩譲ってある一部分は事実だったのかもしれず、森口氏が何かを勘違いしているのかもしれず、真相究明には至っていないからだ。

    森口氏の話していることが、虚偽だというのなら、その証拠をきっちりと記事にするのもまた新聞社の責務である。

   
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