フェイスブックでのぼやきは中傷にあたるのか?
フェイスブックでのぼやきは
中傷にあたるのか?
和歌山県印南町立印南小学校の40代女性教諭がインターネットの会員制交流サイト「フェイスブック」に「モンスターやっつけた」などと保護者を中傷する書き込みをしていたことが分かった。同校は15日、教諭を担任から外し、自宅待機にした。県教委が処分を検討している。
町教委によると、教諭は保護者面談について、7月22日に「明日から面談始まる。あー怖っ!地獄の3日間!」▽同24日に「今日のモンスター、いっぱいほめて、機嫌よくお引き取りいただきました」▽同25日に「はぁー!モンスター、態度悪い上に遅刻かよ!」「おーわった♪おーわった♪モンスターやっつけた~っと」--などと書き込んでいた。
公開範囲が限定されておらず誰でも見られる状態だった。教諭は同校に勤めていることは公表していなかったが、顔写真などから特定された。教諭は町教委に「モンスターは特定の保護者を指したのではない。面談の緊張から、面白がって大げさに書いてしまった。申し訳ない」などと釈明しているという。発覚した今月12日に、教諭は町教委の指示を受け、フェイスブックの会員登録を削除した。(YAHOO!ニュース)
保護者面談とは、教師にとって、これほどまでに神経をすり減らす一大仕事のようだ。
この女性教諭も、その極度の心労から解放された勢いで、フェイスブックに本音を書き込んでしまったのだと思うが、公開範囲を限定していなかったことが、失敗だったということだろう。
それにしても、フェイスブックというものは、昔で言えば交換日記の類と考えていいのではないかと思う。
つまり、特定の人たちだけの間で読むことが出来る、かなりプライベートな性質の書き物のはずだから、顔写真から筆者を特定するというのも、プライバシーの侵害のようにも思えるのだが・・・。
いや、もしかしたら、如何に筆者を特定できたとはいえ、それを読んだ者にとやかくいう権利などないはずなのだ。
一方では、自由に物が書き込める場所を作っておきながら、それを活用すれば文句を言われるなど、明らかに矛盾している。
今回の件に関しては、公開範囲限定をしていなかったことを、脇が甘かったと指摘されても仕方がないのだろうが、勤務する小学校が特定されていたわけではなさそうだし、教師も何処かで日々溜まるうっぷんのガス抜きをしなければならないのだとしたら、ネットでぼやくぐらいは大目に見てもいいのではないかと思う。
むしろ、「モンスター・ペアレント」に対処する心労を何処へも吐き出すことが出来ずに、内面へ鬱積させた教師の方が、よほど恐ろしい。
フェイスブックの詳しい使い方は、わたしにはよく判らないが、これを腹の立つことや日々の悩みのはけ口とするのならば、せめて写真は顔が特定しにくいものをアップするとか、もう少し工夫をした方が賢明だったように思われる。
<今日のおまけ>
フランス国営テレビ「フランス2」が放送した情報バラエティー番組で、サッカーのフランス代表と対戦した日本代表のGK川島永嗣に腕が4本ある合成写真を映し、司会者が「福島(第1原発の事故)の影響ではないか」とやゆする発言をしていたことが15日、分かった。
在フランス日本大使館は16日未明、同テレビに対し「(東日本大震災や原発事故の)被災者の心情を傷つけるもので遺憾。強く抗議する」とする文書を送達した。欧州メディアの間でも「行き過ぎ」などと問題視する見方が広がっている。
13日夜に放送された番組の司会者、ローラン・リュキエ氏は、12日に日本が1-0でフランスに勝利した試合に触れ「日本には素晴らしいGKがいた」と述べた。しかし、直後にスクリーンに川島の合成写真が映し出され「私は福島の影響ではないかと思う」と発言。スタジオの一般参加視聴者から拍手と笑いが起きた。
これに対し、川島が普段プレーするベルギーの有力紙ルソワールは「行き過ぎ発言か?」と報道、フランスのインターネットメディアも「趣味の悪い冗談」などと批判的に取り上げた。
フランスも原発を大量に保有する国である。
明日は我が身----と、いうことを、まるで判っていない。
そうやって笑っていられるのも今のうちだということを彼らの貧弱な想像力では自覚するのは難しいだろうが、人をのろわば穴二つ。
後悔先に立たずということを、思い知る日が来なければいいのだが・・・。
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