「おもてなし」の極意・・・・・393
~ 今 日 の 雑 感 ~
「おもてなし」の極意
「おもてなし」に極意などあるなら、誰も苦労はしないと、思う方は多いでしょうね。
わたしも、そういうものがあるのならぜひ知りたいと思います。しかし、「極意」というほどのもではないにしても、わたしは、ある新聞の投稿記事で、なるほど、これはある意味、理のある方法だなァ・・・・と、感じたものがあるので、ご紹介しておきたいと思うのです。
その女性は、横浜市の方なのですが、ある時、東京の銀座へ妹さんと用事に行かれたのだそうです。ちょうど、資生堂ビルの前を通りかかったので、三階のコーヒーショップに入ったのだといいます。
そのコーヒーショップは、普段着の女性たちには、気後れするほどに上品な店で、真っ白なテーブルクロスの上に季節の可愛い花が飾ってあるような客席が並び、制服を着たハンサムなボーイさんたちがまるでドラマに出てくるような親切な態度で、椅子を引き、女性たちを腰かけさせてくれたのだそうです。
ウェイターがスマートに手際よく注ぐコーヒーを堪能し、その後、ある種の好奇心からトイレも見てみようと入り、そこにいた他の客と立ち話をしてから、店内へ戻ると、ウェ―トレスたちが、独りで来ている客たちの話し相手をしていたというのです。
女性は、格式ばったイメージだけではなく、こうしたやさしい思いやりに満ちた、客一人一人を退屈させたり孤独にさせないさりげない気遣いに、感銘を受けたということでした。
「おもてなし」と、一口に言っても、その形式は様々ですし、また、それを受け止める客側の心理状態も一様ではありません。四角四面にきっちりとしたマニュアルに沿ってなされなければ「おもてなし」とは呼べないと、いう人もいれば、そんな心のこもっていないような対応では、満足できないという人もいるでしょう。
わたしも以前、老舗高級ホテルと呼ばれるところのパーティーに出席したことがありますが、そこのウェイターたちは、まるでロボットのように無表情で、決まりきった行動しか取れない人たちで、実に奇妙な感じがしたのを覚えています。
人間は、機械ではありませんから、人が集まる場所にはハプニングは付き物です。そういう思いがけない状況にも対処できる応用能力がなければ、本当の「おもてなし」とはいえないと思うのです。
ワイン・ソムリエ世界一の座を獲得した田崎真也さんが在籍していたことでも有名な、東京のホテル西洋銀座では、昔からバトラーサービスというものがあるといいます。要するに、貴族に仕える執事のように、宿泊客が望むさまざまなサービスを提供するというコンシェルジュたちがいるのです。
彼らのモットーは、
「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた、紳士淑女である」と、いうものだそうです。
彼らバトラーたちは、ホテルと顧客の良好な関係を築く中で、それをより深化させ、顧客の好みを熟知し、顧客はそのホテルスタッフを愛することで、ホテルに快適さを感じるようになるのだというのです。
そう考えると、「おもてなし」とは、即ち、そこで働く人々の
「人間的魅力」なのではないかと思うのです。
もしも、世の中に「おもてなしの極意」があるのだとしたならば、それは、
「顧客の気持ちに寄り添う」-----これに尽きるのではないでしょうか。
*** 写真は、「ホテル西洋銀座」の女性バトラー。
<今日の雑感>
入院先の国立病院機構近畿中央胸部疾患センターでの口論から同室の患者をナイフで切り付けたとして、大阪府警北堺署は11日、殺人未遂容疑で、無職、衛藤峰郎容疑者(63)を逮捕しました。
衛藤容疑者は、「殺すつもりはなかった」と一部容疑を否認しているといいます。
切りつけられた男性は、命に別条はないそうですが、衛藤容疑者は、この男性の咳がうるさいと腹を立て、犯行に及んだもののようです。
入院していると、とかく同室患者の咳やいびきなどは気になるものです。わたしも隣のベッドの患者のいびきには悩まされました。あまりのうるささに、病室を出て談話室で夜を明かした同室患者もいたくらいです。
男性同士なら、喧嘩になってもおかしくないかもしれません。患者は、皆、我がままです。病気の時ぐらい、他人への気兼ねを忘れたいと思うからです。
なんだか、この事件に関しては、一概に、容疑者が悪いとは言い難い気持ちがしてなりません。
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