『友愛』ってなんですか?・・・・・562
~ 今 日 の 雑 感 ~
『友愛』ってなんですか?
鳩山総理が自らの政治理念として掲げる『友愛』の言葉は、かつてのオーストラリア駐日大使と日本女性との間に生まれたクーデンホーフ・カレルギー伯爵が提唱した『同胞愛』から取ったものであるらしい。
このカレルギー伯爵の言葉を鳩山総理の祖父である故・鳩山一郎氏が『友愛』と訳し、孫がそれを政治理念としているのだという。
伯爵は、欧州連合(EU )創設の先駆者とも言われており、鳩山総理もこの理想に触発されているものと思われる。
かつては数百年にわたって戦い続けて来た歴史を持つ敵対国同士であったドイツとフランスが、第二次大戦後、自由な市場主義を否定するソビエト連邦を同じ敵と認識した時、初めて手を結ぶことができたのである。
そして、それが現在のEUの基礎ともなったのだという。
鳩山総理は、このドイツとフランスを日本と中国に見立てて、欧州連合ならぬ『東アジア共同体』を打ちたてようと目論んでいるのだそうだ。
しかし、ドイツとフランスのような経済が同水準の国同士が手を結ぶことは可能であるが、如何に中国が今後世界第二位の経済大国にのし上がるとはいえ、日本との生活水準から量る経済格差は10倍以上にもなる。
今の時点で、この両国がドイツとフランスのような関係になれるとは到底考えられない。
それに、アメリカがこの両国が中心となる経済統合に自分も入れて欲しいと言い出すことは必至である。
また、『東アジア共同体』となれば、各国の通貨もEUにおけるユーロのように統一されることになるだろう。
そうなった場合、通貨統合の基準を何処にするのかという問題も大きいし、日本の円、中国の元、アメリカのドルも消え、新たな通貨が生まれるということなのである。
となれば、必然的に共同体加盟国の国民は互いの国を自由に行き来できるようになり、日本国内にも大勢の中国やアメリカ、その他の東アジア諸国の労働者が押し寄せることにもなる。
しかも、この経済格差のままでそういう状況が続けば、日本経済にとっての打撃は量りしれず、また、職を外国人に奪われる日本国民も黙ってはいないだろう。ただでさえ日本国内には、まだまだ外国人に対して排他的な感情を持つ人々は多い。
とても、『友愛』などという生易しい言葉で懐柔できるような状況にないことは明白である。
ある学者は、こう言っているという。
「日本人は顔はアジア人だが、その生活スタイルと経済の心は欧米人である」と----。
でも、この『友愛』の理念だが、かつての『大東亜共栄圏』と、何処か似た匂いがすると思うのは、わたしだけであろうか?
<今日のおまけ>
「蜂には人間の気持ちが判るのではないか?」と、いうコラムを読んだ。
人間が恐怖心を持って蜂に近付くと、向こうもそれに気付いて襲って来るが、こちらが彼らを怖がっていないと判ると、まったく攻撃をしてこないというのである。
そういえば、我が家にもこのぐらいの時期から時々スズメバチが迷い込んで来ることがある。
彼女(スズメバチの働きバチはすべてメスであるらしい)が外へ出ようと窓ガラスの辺りを必死に右往左往しているので、わたしは、そうっと雑誌を差し出す。すると、何の抵抗もなくその上へ乗って来る。
そして、そのまま窓の外へ彼女を放してやるのだ。
ただし、香水や整髪料の匂いなどには敏感であるから、身体から甘い香りなどをさせていると、刺されることもある。
スズメバチに刺されるとアナフィラキシーショックにより死亡することもあるので、用心したいものである。
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