プレッシャーになる言葉
プレッシャーになる言葉
今回の大地震で被災された方たちにかけてはいけない言葉に「頑張ってね」「しっかりね」などがあると言いますが、わたし個人的には、足や身体がまったく動かなかった時に、かけられて一番プレッシャーになった言葉が、
「早く良くなってね」
でした。
病気の人に対して、つい何気なくかけてしまう言葉ですが、この一言がもっともプレッシャーを感じるものでした。
言葉をかける側の人は、心から相手の回復を願ってのものですから、このようなことを言われると実に心外かと思います。
でも、この「早く----」という言葉ほど、患者にキツイものはないのです。
「じゃァ、いつまでもそのままでいろ----と、言われた方が嬉しいわけ?」
そう皮肉を言う人もいましたが、どんなにあがいても焦ってみても、自分自身の努力ではどうにもならないことってあるもので、こういう時には、むしろ、
「別に、明日明日必要な仕事があるわけでもなし、気長に養生して少しずつ治せばいいよ」
と、言われた方が、どれほど気が楽か----と、思うものなのです。
そのことを、わたしの担当医の先生方は皆さん心得ておられて、わたしに向かっては、
「ひどい状態が長く続いていたのだから、焦らないでゆっくり治しましょうね」
と、声をかけて下さいます。
さすがは、患者の心情を理解しているプロの言葉だと感心させられました。すると、こちらとしては、それじゃァ、何としても頑張って歩けるようになろう----と、リハビリにも励む元気が出るものなのです。
「焦らないで、時間はたっぷりあるんだから・・・」
そんな風に励まされることが、とても気強く思えたものでした。
あくまでも、わたしの場合ですけれど----ね。
ですから、震災の被害者の方たちにも、「まあ、ここまで来たんだから、じっくり構えて行こうよ」----そんな気持ちになってもらえるような政治を望みたいものです。
<今日のおまけ>
東日本大震災で被害を受けた宮城県気仙沼市の避難所で、ボランティアの30代女性に乱暴しようとしてけがをさせたとして、県警気仙沼署は3日、強姦(ごうかん)致傷容疑で、同市長磯鳥子沢、会社員長田和彦容疑者(38)を逮捕した。同署によると、長田容疑者は「知らない」と否認しているという。
逮捕容疑は3日未明、就寝中の女性の体を触った上、頭を殴ったり刃物で切り付けたりし、軽傷を負わせた疑い。(YAHOO!ニュース)
何なんでしょうね?
本当なんでしょうか?
こんなことって、信じられません。
ボランティアが激減しているという被災地で、それでも頑張って被災者の方々の力になりたいと尽力している若い女性に暴力を振るうなんて。
もしも、この事件が事実だとしたら、大変な問題ですね。
こんなニュースを知れば、この夏休みに東北へボランティアに行こうと思っていた女性たちが二の足を踏むことになり兼ねません。
確か、この間も被災者の中に非常時につけ込んだ不心得者がいたため、一時被災自治体が義援金の受け取りを自粛するという事態に発展しかけたこともあったように記憶しています。
復旧から復興に向けて国民が一丸となって節電や節約に取り組んでいる矢先の、ちょっと想像しがたい報道でした。
で、松本龍復興大臣の例の発言には、度胆を抜かれましたが、宮城県の村井知事も大臣をお迎えするにはそれなりの真摯な姿勢は見せた方が良かったように思いますね。
お互いに何度も顔を合わせているそうなので、きっと兄が弟を叱るような目線になってしまったのでしょう。
それにしても、松本大臣はもはや捨て身(捨てばち?)で被災地へ乗り込んだという感じですね。
「おれのやり方が気に食わないなら、いつでもクビにしろ!」----って、ところなんでしょうね。
まあ、そのくらいの剛腕で、傍の雑音に惑わされず、グイグイ復興を成し遂げて行って欲しいものです。
でも、あのサングラスは、何なのかな?
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