お見合い番組を観て
例のお見合い番組、何となく観てしまう。
今回は、78名の女性が現地へ集合し、22名(だったと思う)の男性とお見合いをした。
まあ、いつものお決まりの調子で、男性一番人気のミカン農家の男性と女性一番人気の女性がめでたくカップルに。
二番人気の体育会系僧侶の男性は、カップル成立しなかったのかな?(ちょっと、そのシーンは見損なった)
もしも、そうならば、あまりに自信満々の積極的過ぎて、女性たちの美坊主イメージが覆ってしまったのが敗因かも・・・。
今の女性は、どちらかというと理想の男性像には、「クール」とか「シャイ」「落ち着いている」「冷静沈着」といったものを求めているように思えた。
つまり、それだけ女性側が強く活発になったということなのかもしれない。
中でも、一番の見応えシーンは、やはり、三姉妹(全員三十代)による男性争奪戦だろう。
三姉妹のうち、次女だけが離婚経験者で子持ち。長女と歯科衛生士の三女は、結婚経験なしだった。
最初は、三人が三人とも意中の男性(二名)が同じという展開で、「そんなことがあるのか?」と、スタジオのゲストたちも色めき立った。
すると、次女が、「お姉さんと妹は明るく活発な性格なんだけれど、わたしは人見知りするタイプ。でも、積極的な二人を横から見ていて、最後にはわたしが・・・」と、意味深な発言。
しかし、そんなスタジオの不安は杞憂に終わり、長女と三女は、まったく別々の男性のお宅訪問へ。ただ、次女だけは、初めから決めていたという養鶏農家の御曹司の家へ行った。
ただ、養鶏農家の御曹司の自宅には、彼を目当ての女性たちが大挙押しかけていて、引っ込み思案の次女は気後れしてしまっていたようだ。
そして、最終フリータイムでは、長女はもちろん自宅訪問もした電気工事業の男性の元へ。そして、三女もやはりパーティータイムで意気投合したJA職員の男性と会話が弾んだ。
ところが、次女は、何故かここで突如として気が変わり、長女が席を立った隙に、その姉が意中とする男性の隣へ----。
すると、はきはきタイプの姉に比べて、何処かナイーブそうな次女の、「お姉さんが話している人だから、わたしも話せるかな・・・と、思って」という、か弱そうな言葉にその男性は思わず同情。
告白タイムで三女はそのままJA職員男性とカップルになれたが、長女の意中の男性は、なんと、長女の目の前で次女に告白。
次女は、長女の方へ一瞬気まずそうな視線を投げたが、結局はありがたく花束を受け取ってしまった。
さすがに長女も、瞬間は驚いた表情を見せたものの、すぐに「仕方ないな・・・」と納得をしたようだ。
この時の姉妹の様子を見ていて、「ああ、この三姉妹は、いつもこんな調子で、最後はおいしいところをすべて次女に持って行かれているんだろうな」と、いう気がした。
男性は、自己主張がはっきりしている大人の女性よりも、何処か自分が庇護してやらなければ・・・と、思わせるようなはかなげな女性に気持ちを奪われやすいものである。
冷静に考えれば、この次女は、一度結婚して子供までいるのだから、根はかなり気丈な人間だということぐらいすぐに判りそうなものなのに、四十過ぎまで独身の純情男性にはそれが読めなかったようだ。
しかも、彼女は、どうすれば自分が弱々しくはかなげに見えるかということを常に計算しているのだということも、薄々想像が付く。が、その手管にこの電気工事業の男性はうまくはめられてしまったことを、番組ゲストたちもどこか釈然としない顔つきで残念がっていた。
奇しくも、お見合い一日目に語った、次女の「横から見ていて、最後にはわたしが・・・」の言葉通りの展開となってしまったのである。
おそらく、この次女は、姉や妹の持ち物なら、何でも欲しいと思ってしまう性格なのだと思う。洋服も、バッグも、男性でさえもそうした対象なのだろう。
しかし、手に入れてしまうと途端に興味をなくす。姉の持ち物を奪い取ることに快感を覚えているだけで、もともと本当に自分が好きなものではないのだから、あっという間に熱も冷めるのだろう。
そんな女性の気まぐれ引っかかってしまった男性こそ災難である。
果たして、この次女カップルの行く末や如何に?
<今日のおまけ>
稲川淳二の怖い話に、こんなものがあったそうだ。(また聞きなので、内容は正確ではない)
海水浴場へ友人数人と旅行をしたKくん。
友人たちが岸壁から海へのダイブする様子をデジカメに収めて楽しんでいたところ、友人の一人がいつまで経っても海面に姿を現わさない。
慌てたKくんたちは、地元の警察に連絡して溺れた友だちを探したが、彼は翌日海中で遺体となって発見された。
数日後の葬儀の席で、亡くなった友人の最後の姿を見ようと、Kくんはカメラの映像を再生した。
すると、そこには今まさに海面へ飛び込もうとする友人の姿が写り、その彼の足首を、海から突きだした無数の白い手が捕まえていたのだった。