すこぶる呆れ返る話・・・・・930
~ 今 日 の 雑 感 ~
すこぶる呆れ返る話
母親がひどい自動車酔いのため病院で検査を受ける予定になっていたのだが、今日になっても体調が万全でない。
「しばらく車には乗りたくない」
と、言うので、地元の開業医さんで診てもらうことに決め、あちらには検査をキャンセルする旨を連絡した。
ところが、その応対ぶりに驚いた。
一口で言えば、患者の都合よりも、診察した医師のメンツを立てて欲しいというのだ。
「とにかく、筋を通せ」というのである。
わたしは、まるで、極道世界の話かと驚愕した。
筋だのメンツだのという話が、病院スタッフの口から飛び出すとは思いもしなかったからだ。
問題は、そんなことよりも、患者の気持ちや体調の方が大事だろう。患者がどんなに苦しんだとしても、医師のメンツの方を優先するのか?
母を診察して下さった医師は、そんなことにこだわるような人ではないと思う。
「もし、どうしても大変なら、近くの開業医さんに診てもらって下さい」
と、言ってくれたのは、その医師なのだ。ところが、その後、別の医師(研修医)が、診察して下さった医師の言葉をさえぎるように現われ、色々検査をしろと言い出したのである。
確かに、身体に重大な病気が隠れているかもしれないし、それが確定しない以上治療が出来ないと懸念する気持ちも判らないではないが、そんな多くの検査に頼らずとも、本当に実力のある医師ならば、問診やこれまでにやった検査から、確実な診断を導き出せるはずであるし、また、これまでのベテラン総合診療医はそうして来たはずだ。
まずは、出来るだけ患者の体や心に負担をかけずに治療をするというのが、医療人の基本ではないだろうか。
わたしを診察して下さっている先生方は、それをいの一番に考えて、日々、患者の診療に尽力しておられる。
なのに、最近の医療は、高齢者やその家族が医療機関を利用したら、患者や家族の意思は無視して、自分たちの都合だけを優先すべし----というマニュアルが出来ているのではないかとさえ感じることがある。
しかし、少し前までは、そんなことはまったくなく、スタッフたちはとても親切かつ気さくに患者とふれあってくれていた。
何かが、おかしい・・・・。
病院中がイライラしている。
わたしの感覚が変なのかと思い、母と同じ病院に通う近所の人たちにも訊いてみたが、やはり、同様の印象を持っていた。
患者を人と思わないような雰囲気がまん延しているのならば、これは大きな問題だと考える。
たぶん、もう、病院には連絡しない。
あのようなケンカ腰のヤクザまがいの言い方をするスタッフと水掛け論を戦わすほど、こちらも暇ではないのだ。
<今日のおまけ>
救急車で運ばれた母親を病院まで自動車で迎えに行く途中、通称「四次元の坂」を少し行った先の左手に、たくさんの花束が供えられている光景を見た。
何だろう?---と、考えたが、すぐに新聞に書かれてあった小さな記事を思い出した。
中野市内の高校に通う女子生徒が、同市一本木の用水路で亡くなっていたという記事である。
ここがその現場か・・・・と、思いながら通り過ぎたが、どうして、あんな場所で亡くなっていたのか、詳しいことは記事に書かれてはいなかった。
寒空の下供えられた、おびただしいと表現されるほどの花束の数が、少女の死という現実の痛ましさを、凄絶に物語っているようにも思えた。
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