手術着の色は・・・

ちよみ

2011年11月13日 19:36

手術着の色は・・・




    今から50年以上も前のこと、ニューヨークの外科医が、手術中にやたらに目が疲れることを気にしていた。

    しかも、手術室の白い壁を見ると、そこに青緑色の影のようなものまで浮かぶので、外科医は、色彩の専門家にこの状況を相談した。

    色彩専門家が説明することには、

    「それは、色対比という現象で、手術室で赤い血液ばかり見ているために、視線を白色の壁へ移した時、その残像が映るのだ」

    との話であった。

    色対比とは、混ぜ合わせると白になるという光の色の現象で、血の赤色の補色が青緑色なのであった。

    そこで、手術室の壁の色や手術着の色を白色から青緑色に替えたところ、この現象はなくなった。

    ついでに、極度に明るい手術室の無影灯の光が、白い手術着に反射して起こる目の疲れも軽減することが出来たのである。

    しかも、この青緑色は、手術の際の緊張までも緩和する効果があったというのだから驚きである。

    
    因みに、会社やスーパーなどの苦情処理を扱う部屋の壁も、クレーマーの気持ちを和らげるために青緑色にするところもあるそうだ。

    色には、人の気持ちをコントロールしたり、目への刺激を緩和するという役割もある。

    地デジテレビの色が圧倒的に黒が多いのも、画面を見ている時の目の疲労を少なくするためと、信頼性の高い無機質な重厚感を消費者に感じさせるためなのだという。

    


   ***  資料参照






<今日のおまけ>

    今日は、風が強かったですね。

    枯れ葉がいっせいに風に舞い、秋の嵐のようでした。

    こういう風情を見ると、晩秋の意味がことさら際立つような気がします。

    雪が来る前の今の時季が、一年でもっとも抒情的で芸術的な季節なのかもしれませんね。

    
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