大げさなお世辞の裏側

ちよみ

2012年05月05日 19:49

大げさなお世辞の裏側




    あなたは、お世辞を言われるとつい嬉しくなってしまう方だろうか?

    それとも、相手に何か下心があるに違いないと疑ってかかる方だろうか?

    まあ、それもこれも相手のお世辞の内容によっても捉え方は異なるだろうが、どう考えてもそこまで褒めそやされる理由が自分に見当たらないと思うほどのお世辞を言う人が周囲にいたとしたら、その人の本心はいったいどういうものなのだろうか?

    たとえば、あなたが子供のために用意したどう見ても素人作り丸出しのキャラ弁を、異常なほどにほめたママ友がいたとする。

    「すごい!!まるで、アニメの作者本人が作ったみたいなキャラ弁ね。〇〇さんは本当に器用でらっしゃるから、お子さんもお幸せだわ。わたしも〇〇さんにキャラ弁作りの手ほどきを受けたいくらいよ。素晴らしいわ」

    歯の浮くように大げさなお世辞である。

    さて、言われたあなたの気持ちはどうだろうか?

    わたしなら、きっとこう思う。

    「おいおい、今度の遠足にお前の子供に持たせる弁当を、わたしに作れとでもいう気じゃァないだろうな。冗談じゃないぞ」

    こんな反応を示すようならば、あなたは相手の本心をよく理解しているといえるのだそうである。

    どう考えても言い過ぎだろうと思うほど大げさなお世辞を述べる人は、褒めそやす相手のことを実際はそれほど好きではないことが大半なのだそうだ。

    好きではないからこそ、平気で本心を偽れるのである。

    人は、本当に好きな人に対しては本心を偽れないというのが普通で、お世辞は言えてもここまでのあからさまな言い方は恥ずかしさや罪悪感さえ覚えてしまい、容易くは出来ないのが人情というものなのだそうである。

    ある心理学者は、「これをあなた自身の経験に置き換えて考えてみると良い」という。

    心にもないお世辞を言ったあとには、何となくすっきりしない不快感が残りはしないかと・・・。

    とはいえ、あなたが本心から尊敬する人物が、本当に素晴らしい功績を上げたり、衆目が認める才能の持ち主だった場合ももちろんあるわけなのだから、そういう時は思いっきり褒めそやして構わないだろう。

    それほどの功績ならば褒められた相手もそれを当然のことだと認識しているわけだから、あなたの言葉を殊更に裏読みすることはないはずである。




<今日のおまけ>

    長野県白馬村の北アルプス・白馬岳(2932メートル)へ登山に向かい、連絡が取れなくなっていた北九州市在住の男性6人(医師4人、獣医師1人、自営業1人)について、県警は5日午前、上空からヘリコプターで捜索し、白馬岳へ行く途中の小蓮華山の山頂近くで全員が倒れているのを発見した。県警はヘリで収容したが、間もなく6人全員の死亡が確認された。冬山用の装備をしておらず、夏用の雨がっぱなどを着て、身を寄せ合うようにしていたという。死因は全員低体温症だった。
    一方、北アルプスの爺ケ岳近くで、4日から連絡が取れなかった会社員宗和住摩子さん(62)=大阪市住之江区新北島=とみられる女性が倒れているのを登山者が発見。県防災ヘリで救助したが、死亡が確認された。宗和さんは1人で登山していたという。(YAHOO!ニュース)



    大型連休中に大きな山岳事故のニュースが入りましたね。

    このところの悪天候で、4日から白馬周辺は吹雪に見舞われていたとか----。

    この福岡県北九州市の医師と獣医師らで構成された男性6人パーティーは、五月の春山登山にしてはかなりの軽装で、避難用のテントも持っていなかったそうです。

    NHKニュースによれば、下山途中に彼らとすれ違った60代の女性は、「彼らは、引き返すかどうかを話し合っていた。自分も下山を急いでいたので、そのまま来てしまったが、あとで考えて彼らのことが心配になった」と、語っていました。

    春山の天候を甘く見たのが遭難の原因だということですが、山はたとえ真夏でも冬装備で行くくらいの心がけが大事だと思います。

    そして、「迷ったら引き返す」が徹底出来ていたならば・・・と、残念でなりません。

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