噂を信じやすい人とは・・・

ちよみ

2012年05月11日 19:16

噂を信じやすい人とは・・・




    専業主婦のAさんとBさんはカルチャースクールで知り合いそこそこの仲良しだったが、そんな二人の前にある時OLのCさんが現われて、今度は三人で食事をしたりショッピングを楽しんだりと親しく付き合うようになった。

    ところが、ある日を境に、何故かAさんがBさんを避けるようになる。

    戸惑うBさんは、直接そのわけをAさんに訊く勇気がないので、Cさんに相談を持ちかけた。

    すると、Cさんが言うには、「Aさんは、『最近のBさんは自分に隠し事をしているみたいで不愉快だ』と思っているらしい」とのことなので、驚いたBさんは、「そんなことはAさんの誤解だ。わたしはAさんに隠し事などしてはいないと伝えて欲しい」と、Cさんに頼んだ。
  
    ところが、その後もAさんがBさんを避ける態度は変わらず、ついに二人は仲たがいをすることに----。

    Bさんは、Aさんと顔を合わせるのが嫌になり、カルチャースクールもやめた。

    やがて、Cさんが家族の都合でその土地から引っ越して行くと、AさんとBさんは、偶然、街で一年ぶりに顔を合わせた。

    Bさんは、勇気を振り絞ってAさんに話しかけ、一年前にどうして自分を避けるようになったのかと、そのわけを質した。

    Aさんの答えは、「だって、Cさんが教えてくれたんだけれど、Bさんがわたしのことを隠し事の多い人だと言って嫌っているというから・・・。嫌われながら付き合うこともないだろうと思ったのよ」と、いうものだった。

    そこでAさんとBさんは、Cさんがそれぞれに言いふらした、まったくありもしない情報に踊らされて互いに嫌悪感を抱き合っていたということに気付いたのである。

    そして、Cさんが、そうやって二人の間を切り離し、自分だけがAさん、Bさん各々の相談相手となることに快感を感じていたのだということを知ったのだった。


    
    こうした「生じるはずのない誤解」が、噂とか伝聞によって生じることは、とかく日常の人間関係の中で時として起こり得ることである。

    では、何故、AさんもBさんも、Cさんが与える間違った情報を鵜呑みにしてしまったのであろうか?

    確かにAさんとBさんが、頻繁に情報交換をするほど親しい間柄ではなかったということもあるが、噂や伝聞では殊に肯定的な情報よりも否定的な情報の方が伝わりやすいという特徴があるのだという。

    伝わりやすいとは、信じられやすいということでもあるため、悪口や陰口の類ほど広まりやすいということにもなるのである。

    また、固定観念や先入観が強く、多数の意見に同調しやすい、また他人と自分を同一視しやすい人ほどこうした噂を信じやすいのだそうだ。

    AさんとBさんは同じカルチャースクールへ通う者同士でもあったため、共通の友人であるCさんの言葉を容易に信じてしまう同調化しやすい要素を多分に持っていたともいえるようである。

    もしも、AさんとBさんが、趣味も立場も異なる者同士であったならば、Cさんの言葉の受け取り方も微妙に違ったのではないかと思われる。

    いずれにせよ、噂や伝聞による情報はとかく歪曲化されたり誇張されやすいものであるから、「これは少し変だぞ」と、思った時は、やはり直接相手に真偽のほどを訊ねてみることが大切なように思われる。

    
<今日のおまけ>

    今日の寒さは尋常ではありませんでしたね。

    志賀高原には、5センチの積雪があったそうです。

    朝の気温も3度で、日中でも10度を下回りました。

    こんな年は珍しいです。

    ところで、昨日テレビ番組で放送していた例の占い師のマインドコントロールについての警鐘番組だけれど、客観的に観ていると、どうしてそんなことに騙されるかなァ・・・と、思ってしまうような内容でしたね。

    「キワキワの攻防戦なんですよ」とか「もう少しなんですよ」とか、「・・・・と、言われています」とか、要は自分が思っているのではなく、別の何物かに言わされている----というのが占い師の常套句のようでしたね。

    でも、結局は、その占い師がしたいことや食べたい物を、被害者が自腹を切って提供していたに過ぎないんですよね。

    つまり、これもある意味伝聞形態をとった人心掌握術の一種なのでしょうね。

    それにしても、占い師のしたことは被害者に対する強制でも監禁でもないため、犯罪としては成立しないということなので、何となく釈然としませんでした。
    
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