色々おしゃべり 39

ちよみ

2013年04月18日 22:33

色々おしゃべり 39




    地域の観光発展に尽力するといいながら、その実、自分のホテルや旅館の宣伝しかしないという経営者は多い。

    自分の経営する宿泊施設のことばかり考えている訳ではない----と、言う人も、実際はごく狭いエリアのピーアールだけで終わっている場合も少なくないのが実情だ。

    だから、いつまで経っても、その地域全体の活性化には結び付かない。

    旅行客は、宿泊施設だけに魅力を感じて旅をする訳ではない。

    宿泊施設は、あくまでもその観光地のほんの一部分にしか過ぎないのである。

    「お客さまは、うちのホテルが気に入られているから、リピーターになって下さるのだ」

    そんな誤解をしている経営者がいるとしたら、驚き桃の木である。

    観光とは、個人的な誘客で成り立つほど単純なものではない。

    その地域全体にどれだけの魅力や、旅行者に行ってみたいと思わせる付加価値があるかということで決まるのだ。

    たとえば、ホテルや旅館の周辺がすべて素人家ばかりになってしまったとして、そんな場所に宿泊客が集まるだろうか?

    店舗が相次いで閉店してしまい、ゴーストタウンのように閑散としている街の真ん中に、一軒ポツンと立っているようなホテルに泊まりたいと思う客がいるだろうか?

    旅行客を呼び込みたいのなら、宿泊施設ばかりに目を向けても無意味なだけなのである。

    それよりも、ホテルや旅館の周りの飲食店や土産物店、生鮮食料品店、洋品店などなど、ざまざまな小売業の店舗を如何に存続させるかということの方が、宿泊業者を優遇することなどよりも、何倍も大切な課題なのである。

    そんなことも判らないで、一見地域の有力者のようにふるまっている宿泊業者のご機嫌伺いばかりしていたツケが回り、一気に地域経済をひっ迫させていることに、未だ自治体は気付かない。

    観光地の名所巡りのパンフを、宿泊施設だけに配布していったい何の利点があるというのだろう。

    駅へ降り立った観光客たちが真っ先に向かう場所は何処なのか・・・・?

    それを知っていれば、そんな片手落ちなパンフの置き方は、絶対に出来ないはずなのだが・・・。



***  写真は、山ノ内町夜間瀬川の星川橋から安代温泉方向を望む(上)  桜と湯田中駅楓の湯(下)
    
    
<今日のおまけ>


    「町長さんもおいしいと言っているお蕎麦屋さんが、この辺にあると聞いたんですが・・・」

    埼玉県から来たという男性観光客に訊ねられた。

    ネットかテレビでそんな情報を得たようだ。

    こちらも知らないお店ではないので道順を教えると、

    「本当に評判通りの味ですか?」

    と、さらに訊ねる。

    「わたしは食べたことはありませんが、確かに、おいしいと聞いていますね」

    そう答えると、納得したように立ち去って行った。

    埼玉県からわざわざその店の蕎麦を食べるためにやって来たということで、すごい食通もいるものだと感心した。

    
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