言いたいことの伝え方

ちよみ

2013年05月08日 22:49

言いたいことの伝え方




    自分が本当に言いたいことを他人が理解しやすいように伝えることは、実はとても難しいことである。

    ブログを書いていても、自分の気持ちや考え方はドンドン羅列出来たとしても、その時の状況や経緯が具体的に書き表わされているかといえば、大半は否である。

    だから、いったい筆者は何を言わんとしているかが読み手にはほとんど伝わらない。

    思いばかりが先走ってしまい、状況描写や相手のリアクションなどがおろそかになっているからである。

    これと同じようなことは、他人と会話をする場合にもいえる。

    多くの人たちは、感情が先走ってしまい、言葉がついて行かないのだ。

    殊に、相手を非難するような時は、そうした傾向が大きくなる。

    ある女性は、相手に苦情を訴えたかったのだが、相手の方が弁が立ち、声も大きく威圧的だったがために、自分の言いたいことを半分も訴えられないまま、引き下がるしかなかったという。

    こうした場合の鉄則としては、相手の非を理詰めでつぶして行くことが大事なのだが、相手から反撃されたらどうしようという緊張感やプレッシャーに襲われると、興奮状態が過剰となり、自分が何を話しているのかさえも判らなくなってしまうものなのである。

    そういう時は、自分の中で「これだけは、槍が降っても言っておかねばならない」と、いう項目を順序立てて整理しておくといいだろう。

    そして、相手の返答は一切無視すること。

    相手は、自分が批判されていると思えば、居丈高になって噛みついて来る。

    言い訳も、お手のものとばかりに反撃するだろう。

    しかし、そんな抗弁を聞く必要はない。

    とにかく、最後まで、まず自分が言いたいことだけを言いのけてしまうことが肝要である。

    そのあとで、ゆっくりと相手の言い分を聞けばいいのである。

    そして、さらに余裕があれば、相手の言葉の不備を一つ一つ反論でつぶして行く。

    それが出来ない時は、ただ一言、

    「問答無用!!」

    と、一喝する。

    肝心なのは、自分がぜひ言いたいこと、絶対に言わねばならないことを、しっかりと頭の中で組み立てておくことである。

    そして、何より決して相手のペースで会話を運ばせないことである。

    そのためにも、相手にこちらの言い分を伝える時は、出来れば会う場所の選択にも気を配った方がいい。

    自分のテリトリーでも、相手のテリトリーでもない場所を選ぶこと。

    自分のテリトリーでは、自分を知っている人も多いので人の目が気になり、遠慮気味な言い方になり兼ねない。

    ましてや、相手のテリトリーでは、相手に味方する者が出て来るやもしれず、自分の方が立場上不利になる。

    誰にも遠慮することがなく、万が一口論となって醜態をさらしても自身が恥をかくことのない場所----そんな所へ相手を呼び出してから、言いたいことを言うのがベストなのである。

    

    
<今日のおまけ>


    信濃毎日新聞の朝刊で連載している「透明カメレオン」という小説、こう言っては何だけれど、内容がイマイチよく伝わらない。

    誰が誰なのか、何が言いたいのか、何度も読み返すのだが、わたしの鈍い思考では一朝一夕には理解できない。

この間まで連載されていた小説の方が面白かったなァ・・・。




    先日のあるテレビ番組に、海外で亡くなった日本人の遺体を帰国させ、親族に届けるという仕事をしている女性が出演していた。

    その女性がいうには、病気や事故などで海外で亡くなる日本人は、何と年間1600人以上にもなるそうである。
    
    また、女性の経営する葬儀社では、日本で亡くなる外国人の遺体を海外の親族へ送り届けるという仕事も請け負っているとのこと。

    ある時、来日後まだ三日ほどしか経っていない外国人女性が不慮の死を遂げたので、そのことを家族に伝えると、「亡くなった娘はまだ独身なので、国の習慣として、棺桶にはウエディングドレスを着せて入れて欲しい」と、頼まれたという。

    しかし、日本ではウエディングドレスは、花嫁がオーダーして作るものであり、かといってウエディングドレスの貸衣装を売ってくれるところもない。

    必死に駆け回ってようやく一着見付け、遺体に着せて「白雪姫のように美しい姿で送り出した」と、話していた。

    どうしてそこまでやるのか?----との質問に、彼女は、

    「ご遺族にしっかりと悲しんでもらうためにやるのです。しっかりと悲しむことが愛する人の死を受け入れるということになる。悲しみが中途半端だと、遺族はそこから先に進めないのです」

    と、語っていた。
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