~ 今 日 の 雑 感 ~
方言、あれこれ
「おらちのぼこ、風邪ひいたもんで、よんべ、わにてわにて、へー、もうらしくて。今朝がた、医者えったわ」
「ま~んず、われんちのぼここさ、ちいせからな。あんべ悪くなれば、心配ださ。で、へえ、いいんかい?」
「えま、うちけって来て、ねてらさ。起きたら、桃でも食わしてやらずそもってさ。えま、畑から採って来たところだ」
「ふんとかい。今年の桃は、出来いいかい?」
「でけことはでけな。けど、味は大味みてださな。------で、さっきから見てんだけど、おめさんの服、その着方でいいんかい?」
「あれ、やだ、しょうし!後ろ前に来てるわ。あんまりのくてんで、あたまぼーっとしちまったわ」
昨日、わたしの部屋の窓の下で、こんな言葉のやり取りをしている年配の女性たちの声が聞こえました。
この会話、わたしは、すべての意味が判りますが、おそらく、若い世代の人たちは判らない言葉もあると思います。
長野県の言葉のイントネーションは、標準語とほとんど変わりませんが、方言の多さは、東北地方などに引けを取らないと思います。
また、県内の教育が標準語主体で行われていますから、どんな年配の人でも、公の場所に出れば、ちゃんとした言葉を話すことができます。ですから、かつて、テレビタレントが、
「信州というから、もっと田舎だと思って、素朴な言葉を期待して来たのに、みんな普通に話をするので、ちょっと残念だな」
と、インタビューで語っていました。しかし、信州人同士で気楽に話をする時は、みんな、こういう方言を平気で使うということが、そのタレントには判らなかったようです。
わたしが上記したのは、北信地方の方言ですが、東信、中信、南信ともなると、また、まったく別の方言があるのですから、面白いです。
以前、わたしが華道教室へ通っていた時の先生は、諏訪の出身で、よく、こういう言い方をしました。
「昨日、家の中へカエルが入って来て、もう、おどけちゃってね-----」
わたしたち生徒は、「おどける」という言葉を、「面白おかしい」という風に認識していましたから、
「それは、面白かったですね」
と、返事をしたところ、先生は、不思議そうな顔になり、
「カエルなんか、ちっとも、面白くなんかないわよ。ぞっとしたわ」
と、言います。どうやら、先生の出身地域の方では、「おどける」という言葉は、「びっくりした」「驚いた」という意味で使うのだということが、何となく想像出来ました。
では、ここで、皆さんに、方言をいくつか読んで頂きます。意味が判りますか?
「びしょってねェ」 「ばちゃいい」 「あいさ」 「べちゃる」 「けっこくる」 「りこうもん」 「よう
じ」 「えの」 「あおらあおら」 「へっぺへっぺ」 「ひっちゃばく」 「らっちもねェ」 「どきょ」
答え
「情けない・みじめだ」 「ざまをみろ」 「仲間外れ」 「捨てる」 「蹴る」 「バカ」 「歯ブラシ」 「犬」 「風に吹かれるようにふらふら、よろよろする」 「はあ、はあ、息が切れるさま」 「破く」 「くだらない」 「芋虫・毛虫」
因みに、「ぼこ」は、「赤ん坊」 「わにる」は、「人見知りして泣く・イライラして泣く」 「もうらしい」は、「可哀そう」
「あんべ」は、「具合」 「しょうし」は、「恥ずかしい」 「のくて・のくとい」は、「あったかい」 です。
<今日のおまけ>
「裁判員裁判」が、始まりましたね~。
弁護士さんも、検事さんも、今までのスタイルとはやり方を変えて、裁判員の被告に対する印象を少しでも自分の方へ有利に傾けようと、裁判員の方へ歩み出て、身振り手振りを交えたプレゼンテーションを行なうなど、かなり、工夫を重ねたアメリカ的法廷スタイルになったようです。
「まるで、刑事裁判ショウを見ているようだ」と、いう人もいたようですが、これからもこのやり方が続くとなると、弁護士さんや検事さんも、裁判員がどのような員数構成になっているのかを予め調査したうえで、ファッションや化粧などにもこだわったスタイルで、法廷に臨むようになるのでしょうね。
女性裁判員が多そうな時は、クールなイケメンをそろえるとか、男性裁判員を意識して、アリー・マクビールのようなミニスカ弁護士も登場するかも------。(ちょっと、ドラマの見過ぎかな?)
いずれにしても、裁判が、かなり様変わりすることは、間違いなさそうですね。