行列に並ぶ人の心理・・・・・519

ちよみ

2010年05月02日 21:12

~ 今 日 の 雑 感 ~


行列に並ぶ人の心理


    
    わたしが学生時代に驚いたことの一つに、東京にはなんと行列が多いのかということでした。

    わたしが通う大学の近くの商店街にある食堂やレストランにも、お昼時ともなればたった一杯の食事を求めて長蛇の列が出来ていました。

    こういう光景は、長野県ではほとんど見かけないものでしたので、どうして、ここまでして何が何でもこの食堂で食べなくてはならないのかが、不思議でなりませんでした。

    それに、わたしの感覚からすると、列に並んでまでも食事にありつこうとするなんて、何だかさもしい感じがして恥ずかしい気がするのです。しかし、東京で働くサラリーマンやOL にとっては、それが当たり前の姿で、少しも恥ずかしくないどころか、むしろ、美味しいと評判の店に並んでいるということだけでも満足感を得ているような雰囲気なのです。

    たとえ、それでお昼時間が過ぎてしまい、もしも食べ損ねたとしても、それはそれでいいとさえ思っているようなのです。

    ある日、わたしも友人に誘われて、初めて行列というものに並んで一軒のレストランへ入ったことがありました。

    その際、まるで生け花の水盤のような器に入ったラーメンを食べたような記憶があるのですが、外の椅子にまだ何人もの食事待ちの客たちがいると思うと、味も何も良く判らないほどに焦りまくって食べたものでした。

    わたしは、一緒に行った友人に、

    「これじゃ、せっかくおいしいと評判のお店でも、まったく意味がないよね。あんまり気持ちばかりが急いて、残しちゃったよ」

    と、いうと、友人は、それでも、これが一つの東京人のステータスなのだと説明するのでした。

    なんだか、実にバカらしいステータスだと思いました。食事とは、誰にも気兼ねすることなく、自由にゆっくりと食べるからこそ本当のうまみも判るのです。

    まったく、これではブランド店の紙袋だけを下げて、ブランド品を持っているつもりになっている人の心理と何ら変わりません。おいしいと評判の店の前に並んだということだけで、お腹が満腹になったように錯覚しているのです。

    そこに並んだことだけで自分自身の価値が高まったと、信じているのです。

    実に、あほくさい心理です。こういう心理状態は、ベストセラー小説を買うために書店へ並ぶ人たちとも共通しているように思います。今、そこへ並ばないと損をする。かっこよくない。一番乗りはエライ。

    すべては自己満足の世界でしかないのですが、そういう気持ちの人々が何人も集まれば、行列になるのです。

    そんな訳で、子供心にも行列を恥ずかしいと思っていたわたしは、万博にも行きませんでしたし、まだ東京ディズニーランドにも行ったことがありません。

    行列など出来なくても、おいしいお店はたくさんあります。

    何か、日本人の心理状態には、戦後六十年以上経っても未だに配給制度の時代のDNAが消えていないように思うのはわたしだけでしょうか? 
<今日のおまけ>

    「チーム・バチスタ 2」を観ていて毎回疑問に思うことがあるのだが、救命チームの医師たち、「忙しすぎていつか取り返しのつかないことが起きるかもしれない」と、言っていながら、一人の患者の治療に医師七人がかりというのは、如何にも人数多すぎないか?-----と、思う。(?_?)

    なんか、あまりに効率悪過ぎで、これじゃァ、休んでいる暇もないわけだと、呆れてしまう。

    ドラマ上、こういう設定にしないと格好がつかないのかもしれないが、もっとシフトを考えた方がいいのでは?

 ねえ、速水先生。(笑)
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