ど~なる名古屋場所?・・・・・635
~ 今 日 の 雑 感 ~
ど~なる名古屋場所?
来月11日に迫る大相撲名古屋場所。
大相撲の野球賭博問題で、日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で緊急理事会を開き、特別調査委員会(座長=伊藤滋・早大特命教授)の処分勧告案に従い、賭博に関与した力士を謹慎させることで場所開催にこぎつけた。
しかし、人気力士や親方不在に、関係者は不安と戸惑いを隠せないまま場所に臨むことになる。
この名古屋場所が開催されるか否かは、他の五場所とは意味合いが違うという。
現在の大相撲は年六場所制であるが、この名古屋場所だけが唯一自治体が運営にかかわっている場所なのだという。
他の場所では、相撲観戦用のチケットは、お弁当などを売るお茶屋さんと呼ばれるところで販売されるのだそうだが、名古屋場所に限っては、自治体から依頼を受ける形になるのだろうか、一般のホテルやレストランなどがこのチケット販売を肩代わりしているというのである。
しかも、このチケットは買い取り制なので、もしも、今回名古屋場所が開催されなかった場合は、チケットを買い取った自営業者は、何百万円もの損害を被ることになりかねないのである。
更に、会場造りや力士たちの滞在などにかかる金額も自治体の予算に計上されているのだとすれば、明らかに市民の税金を無駄遣いしたことにもなる。
また、名古屋場所一場所を中止した場合、NHKからの放送権料が約5億円など、その他諸々の興行収入を加え、相撲協会としてみれば約14億円が水の泡になる計算だという。
相撲協会及び自治体としては、開催が決まってホッと一息というところかもしれないが、人気上位力士が何人も出場自粛となれば、番付上の幕内の取り組みも減り、興味も失せるのは否めない。
また、10人の理事のうち5人もの理事が監督不行き届きで謹慎処分ということで、土俵下の審判員や取り組編成などにも間違いなく支障が出で来るであろう。
そして、力士たちの名古屋でのケガや病気の際にも、対応する部屋の親方が名古屋入りしていないことは、かなりのリスクがあるものと思うが、そこは、部屋付き親方たちが面倒を見ることも出来るそうだ。
しかし、ただ一部屋、境川部屋だけは部屋付き親方がいないため、境川親方が謹慎処分となると、部屋の力士たちの面倒を誰が見るのかという問題も出て来るという。
そういう場合は、おそらく一門の中の謹慎に値しない親方が世話をするということになるのであろう。
それにしても、場所前から力士幟(のぼり)が破られるなど嫌がらせが相次いでいる名古屋場所である。
若い真面目な力士たちの身に危害が加えられるようなことだけは避けなくてはならない。
事件にかかわりのない力士たちは、皆毎日懸命に血のにじむような努力をして、一場所一土俵に人生をかけているのである。
元横綱朝青龍の暴行事件、ロシア人力士による大麻事件、そして野球賭博事件と、国民の税金が投じられたうえに税金も免除されている公益法人が、これほど不祥事まみれだったとは、信じ難いことである。
この事件をきっかけに、相撲界の常識は、もはや現在の一般社会の常識には当てはまらないのだという自覚を強くしてもらいたいと思うのが、わたしたち大相撲ファンの切なる願いでもある。
<今日のおまけ>
協会理事の貴乃花親方は、相撲教習所に通う若手の力士たちに、大相撲とはどういうものか、また相撲と神事の関係などを学ばせるため、初めて土俵祭りの会場へ生徒たちを入れたのだという。
若い力士たちは、行司が神官になり、土俵の中央に神への供物を埋める所作などを見学し、改めて自分たちが日本古来の伝統の一部として相撲をとる重要な存在なのだという事実を認識したようであった。
力は尊いものであるという考え方は、現代の若者には簡単には受け入れられないことかもしれないが、こういう相撲と神事の関係を知ることで、自らを戒め、慎むという気持ちも育つのではないかと思うのである。
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