信州ディスティネーションキャンペーンの謎・・・・・805
~ 今 日 の 雑 感 ~
信州ディスティネーションキャンペーンの謎
この10月から長野県が主催する「信州ディスティネーションキャンペーン」なる観光客誘致イベントが開催されるそうです。
そうです---と、いうのは、このイベントに関して当の信州人のほとんどが知らないからで、いったい何をやろうとしているのか、一般の住民はまったく報告を受けていないのです。
ただ、県が決めたことですから、主な観光地を抱える市町村の職員たちは大忙しのようです。
観光地のホテルや旅館の経営者を回り、観光客への「おもてなし」をより重視して欲しいと、協力を呼びかけているのだとか・・・。
そんな訳で、盛り上がっているのは観光業関係者ばかりで、一般住民はまったくのカヤの外状態です。
だいいち、「ディスティネーション」などという横文字言葉をどうして使わなければならないのか---?「信州目的地キャンペーン」て、何なんでしょうか?意味が判りません。
まあ、キャンペーン名を付けた時点から、浸透は無理だと諦めたようなものです。
ところが、このキャンペーンの協力を依頼された旅館やホテル業者の中には、まるで、自分たちが自治体の住民を指導するような錯覚を起こしている人たちもいるらしいのです。
観光業に携わる人たちは、キャンペーンをすることで観光客が増えればお金が入りますから、一生懸命になる理由も判りますが、一般家庭の人たちは「おもてなし」に駆り出されても無給のボランティアにすぎません。
そのことが自治体やこうした一部の観光業者には判っていないのです。
でも、昔から一般住民は旅館やホテル業者の部下のように思い込んでいる宿泊業経営者たちは、その矛盾にまったく気が付きません。
確かに、かつて、旅館が地元の八百屋さんや魚屋さん、肉屋さんの食材を使い、食堂、土産品店などに自分の所の宿泊客をまわしなどしていた頃は、住民たちの意識にも「旅館さま」の気風があったことは事実です。
しかし、現在、旅館やホテルは地元の商店に一切恩恵をもたらさず、自分たちのところで使う食材や館内修理も、地元以外の業者に一括して頼んでいる場合が多いのです。
しかも、殊にホテル館内には商店さながらの売店や喫茶コーナーを置き、宿泊客を館内に確保。外の商店や飲食店を利用させることがほぼなくなりました。
旅館経営者の中には、防犯上の問題と理屈をつけて、宿泊客にお金も持たせずに街中を散策させ、外の喫茶店や食堂を利用させないようにしている人さえいるのです。
「レストランで食事をしたいのだけれど、外で食べると女将さんに叱られるから・・・」
と、言って外食を断念する高齢客もいます。
こうした一部旅館やホテル業者の思い違いをそのままにして、「ディスティネーションキャンペーンでおもてなし」など笑止です。
もしも、このキャンペーンを成功させたいのなら、観光業に携わる人たちの「お上」意識から見直す必要があると思われます。
もはや、時代は変わったのです。
旅館やホテル業者が自治体の顔役であったのは、遠い過去の出来事です。
その事実をしっかりと自覚した上で、自治体もこうしたキャンペーンを行なって欲しいのです。
一般住民は、一円の得にもならないのに、観光客に道を訊ねられれば教えます。「おいしいお蕎麦屋はないか?」と、問われれば親切に答えます。
これ以上の努力を一般住民に求めるのは論外です。
むしろ、旅館やホテル関係者の方が、もっと街に宿泊客を開放し、自由にお金を使いながら旅を楽しんでもらうこと---これこそが、今度のキャンペーンの最高の「おもてなし」になるのではないでしょうか?
<今日のおまけ>
パソコンは、本当に判らないことだらけだ。
これはやはり、子供の頃から教育現場で徹底的に教えてもらわないと、一朝一夕に覚えられるものではない。
それは、パソコン自体の使い方ということだけではなく、インターネット業界の仕組みとか、接続業者と電話会社の関係とか、セキュリティーの登録方法とか、その他諸々のことについてである。
これからは、「クラウド・コンピューティング」の時代が来るという。
パソコンにソフトを入れたりやダウンロードの必要はなくなり、欲しい時に欲しい分だけのデータを別のコンピューターから引き出して使い、また、戻すという方法が一般化するらしい。
そうなればパソコンはただの空の入れ物にすぎないので、値段もかなり安くなるという。
一万円以下で買えるようになると、嬉しいのだが・・・・。
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