埴輪ルックが消える?・・・・・901
~ 今 日 の 雑 感 ~
埴輪ルックが消える?
昨日の信濃毎日新聞の記事で、「県内女子高生 黒タイツ流行」というものがありました。
社会人の若い女性たちが黒いタイツを履いている光景を、最近よく目にすると思っていたのですが、高校生の間にも広がり始めたようですね。
確かに、見た目も悪くなく、何処となく締まった感じがして、大人には好印象のようです。
そもそも日本人は、黒とか紺という色を何故か好みます。
清楚、真面目、質素などというどちらかと言えば清純派のイメージを持たれるのが「黒」や「紺」だからなのでしょう。
これは、僧侶たちの墨染衣などにも言えるように、いわゆる俗界や生活感から最も遠い色とされているからなのだと思います。
ところが、これが欧米の感覚からすると、どういう訳かあまり好ましい色とは思われないようで、「黒」は、本来喪服の色ですから、神学校の生徒や聖職者が身につけることはあっても、一般の学生たちが好む色ではないと聞いたことがあります。
日本では、結婚式や披露宴に平気で黒いドレスを着たり、黒い髪飾りをする女性がいますが、これも、本当ならばずいぶん失礼な服装だといえるのです。
黒は、喪に服する色ですから、慶事の席には不釣り合いな物と考えるのが普通のようです。
では、光沢のある豪華な黒はどうかと言えば、これは、なおさら頂けないと思います。理由は、お判りでしょうが、つまりは夜の街に立つ女性の色と思われかねないからです。
また、皆さんも有名なシェークスピア作の戯曲「ハムレット」の中に、ハムレットが自分を裏切った恋人オフィーリアに向かい言い放つ有名な台詞に「尼寺へ行け」というのがあるのをご存知でしょう。この「尼寺」ですが、ハムレットは別にオフィーリアに出家しろと言っている訳ではないのだとか。
ここで言う「尼寺」とは、娼館のことで、その当時尼僧院を隠れ蓑に売春をしていた女性たちがいたからなのだそうです。
そのような理由もあり、「黒」は娼婦の色としてもイメージされたせいでしょうか、ヨーロッパ絵画のそうした商売をしている女性たちの首には、必ずと言っていいほど黒いチョーカーが描かれています。
そうしたイメージのせいか否かは定かでありませんが、わたしが卒業したミッション系高校では、黒いタイツは禁止されていました。
タイツは肌色の物を着用することが校則で定められ、学校指定の紺色のカバンや手提げ袋は公認でしたが、黒はご法度色だったことを覚えています。
しかし、この黒タイツの流行により、顰蹙ものだった「生足」や「埴輪ルック」が次第に影をひそめ始めていることも事実のようです。
とはいえ、わたしのように高校時代寒い思いで登下校した経験者から言わせると、正直、防寒出来て暖かければ何でもいいではないか----と、言うのが本音です。
「生足」は論外にしても、当時は、登下校中はズボンもOKにして欲しいと思ったくらいですから。
皆さんは、どう思われますか?
<今日のおまけ>
イギリスBBC放送が、お笑いクイズ番組で、広島と長崎で二重に被爆した経験を持ち、昨年死去した山口彊(つとむ)さんを、「世界一運が悪い男」と、ジョーク交じりに紹介し、「93歳まで生きたのだから、むしろ幸運な男といえる」などと揶揄したため、これを観ていた視聴者からの指摘を受けロンドンの日本大使館が抗議、番組プロデューサーから謝罪文が届いたそうだ。
しかし、この日本側の抗議に対し、番組を制作した会社は即謝罪したそうだが、BBC放送は、当初無反応で、ようやく出した謝罪文も「日本人視聴者を不快にさせてしまい残念だ」という、極めて人ごとのようなものだった。
イギリス人はジョーク好きと言うが、こういうところに彼らの無教養さが出てしまうのも実に遺憾である。要するに、BBCには放送に携わる者になくてはならない「想像力」が明らかに欠如しているのではないだろうか。
こういうことをすれば、相手がどう反応するのか?
そういう謙虚さなくして公共放送は務まらない筈である。きっと、BBCや番組制作会社の人には、原爆の恐ろしさや悲惨さがまったく判っていないのだと思われる。
これは、戦争に勝った負けたの問題ではない。その兵器についての詳細な知識が足りないということは、とても恐ろしいことで、それを保有している国の国民が如何に無知であるかということを、今回の謝罪騒動は如実に表しているといえるのである。
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