聞きわけの良い患者はダメ患者
聞きわけの良い患者はダメ患者
「聞きわけの良い患者はダメ患者」----と、いう言葉があるという。
検査や治療の際に痛みや辛さを我慢してしまう患者は、医療関係者にとっては扱いやすい患者だといえるが、医療技術そのものの向上を妨げる元になる----と、いう意味らしい。
先日放送された『DOCTORS~最強の名医~』に、
「患者に嘘をつかれては、医師は病気を治せません」
と、いう台詞があったが、劇中では、これは、母子家庭の母親が、娘に内緒で不倫相手と東南アジアへ旅行していたせいでマラリアに感染していたのだが、娘の手前、そのことを担当医に話せなかった----との設定であった。
確かに、患者が自分の病歴や生活環境、もしくは体質について、医師に事実を話さないということはある程度の治療の妨げにはなるであろう。
しかし、認知症の人や口下手の人は、診察室での決まり切った時間内にそれらのことを何処まで医師に伝え切れるかは、疑問である。
いや、普段は弁が立つ健常者でも、病気にかかったいわゆるパニック状態の時に、自分のすべての病歴や生活について洗いざらい伝えきるのは至難の業といえよう。
だから、そういう患者の症状については、それこそ医療のプロが技術を駆使して見抜く必要があるし、また、それが出来るはずなのである。
ところが、検査や治療時の肉体的精神的苦痛は、人それぞれの感じ方があり、痛みに鈍感な人もいればかなり敏感に反応してしまう人もいる。
日本人は、人前で醜態を見せることを最も恥ずべきものと考える習慣のある国民性を持っているせいで、そうした場合の辛さを我慢してしまう傾向が顕著であるという。
そうなれば、医療関係者は患者の本当の苦痛を理解しにくくなり、医療技術の進歩も滞ることになり兼ねない。
たとえば、わたしの場合など嘔吐反射が他の人よりも激しいために、胃カメラの検査が出来ないのだが、胃カメラの欠点は、口、もしくは鼻から入れた内視鏡を、胃の方向へと喉の部分で動かすせいで激しい嘔吐反射を引き起こすことにある。
つまり、喉にあたる内視鏡部分を動かさずにいれば、さほどの嘔吐反射は起きないことになるのだ。
それには、喉のところの内視鏡は固定したままで、内視鏡の先のカメラ部分だけがそこから胃の方へ伸びるように改良すればいいのではないだろうか。
早い話が、二段階に伸びる内視鏡である。
しかし、胃カメラを苦もなく飲める患者ばかりだと、そうした技術開発も出来ないわけで、一部の飲めない患者たちがいつまでも迷惑を被ることになるのである。
『DOCTORS』では、再三にわたり、主人公の相良医師が、「ぼくは、良いお医者さんになりたいだけです」と、いう。
では、良いお医者さんとはどういう医師のことを指すのか?
おそらく、ほとんどの患者は、「ケガや病気を治し、以前と同じ健康体で社会復帰させてくれるお医者さん」と、答えるだろう。
しかし、わたしなら、そこにこう付け加えたい。
診察や検査、治療の際に患者に苦痛や苦労を与えず、恥をかかせないお医者さん----であると。
<今日のおまけ>
今日は、ちょっと嬉しい報告がありました。
これで、ようやくひと山越えた感じです。
甥っ子も良く頑張った!
まあ、多くは書きませんが----ね。
それにしても、一川防衛大臣、あの沖縄の大事件を知らなかったなんて、本当なの?----と、思ってしまう。
被害者女性の心情を察して、わざと「知らない」と、言ったとの説もあるそうだが、翌日には、「知っていた」と、前言を翻したことで、そういうわけでもなかったということが判明。
政治家って、選挙のことばかりに熱心で、世間ずれしている人があまりに多いような気がします。
で、伊達政宗さんって、血液型B型だったんですね。
判るような気がします。
あのおしゃれっぷりは、B型以外には考えられませんから。
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