呆れた観光客
呆れた観光客
時々、「何が言いたいの、あなた?」と、思う人がいる。
おそらく、自分も頭の中が整理できていないのかもしれないが、それでも口に出さねば気が済まないようだ。
今日、我が家に一人の女性旅行者が飛び込んで来るなり、
「向こうの共同浴場だけれど、どうして、地元の人しか入れないの?」
と、早口でまくしたてる。
「どうしてって言われても、そういう決まりですから・・・」
こちらが答えると、その女性は実に不満そうに、
「外の汲み湯のところからは、お湯があふれているじゃない。もったいないと思わない?」
と、言うので、こちらもどう返事をしていいか判らず、
「もったいないと言われても、温泉なんてそういうものでしょう」
「あんな風に無暗にあふれさせているなら、誰が入ってもいいじゃない」
女性は、理屈にもならない不思議なことを言いだした。
だったら、その外の汲み湯のところで足でも洗えば----と、こちらも言いたくなる。
共同浴場を地元住民のみの利用としているのは、何も温泉の湯量が関係しているわけではない。浴場の広さや維持管理、犯罪防止など、もろもろの理由があってそういうことになっているのである。
そんな訳で、どうしてもその共同浴場へ入りたそうなその女性には、各旅館にも日帰りの入浴サービスがあるはずだと教えてあげた。
ところが、女性は、無料でお風呂へ入りたいそうで、外湯の鍵を貸して欲しいと言い出したのだが、それはきっぱりと断った。
こういうことをいい加減にすると、他の観光客にも示しがつかない。
女性は、何とも不満げな表情で帰って行ったが、その後、わたしが共同浴場へ行ったところ、何と、その女性が浴場から出て来たのだ。
女性は、わたしの顔を見るや仰天し、慌てて服を着て脱衣所から外へ飛び出して行った。
おそらく、地元の誰かから鍵を借りたに違いない。
本当に、呆れた話である。
<今日のおまけ>
夕方のニュースで、街の人に「あなたの今年一年を漢字一文字で書くとしたら何ですか?」と、訊ねていた。
「大震災もあり、これからの日本は前向きに進まなければならないので、『進』です」という人もいれば、「仕事で新しい人たちとの出会いもあり、『新』ですね」と、いう人もいた。
じゃァ、わたしの場合は何だろう?
今年も一年、何かと病院のお世話になりっぱなしだったことから、たぶん『医』だな。
あなたの今年一年を漢字一文字に表わしたら、何ですか?
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