大丈夫はダメの裏返し
大丈夫はダメの裏返し
ある実験があったそうです。
有名な歌手のコンサートやスポーツ観戦のチケットを手に入れようと長蛇の列を作るファンの人たちに、心理学者がこう訊ねたのだとか。
「チケットは、手に入ると思いますか?」
すると、前の方に並んでいる人たちは、もちろん、チケットは買えると答えたのですが、中ほどに並ぶ人たちは、
「もしかしたら、売り切れてしまうかもしれない」
と、かなり弱気の発言が目立ったのだそうです。ところが、不思議なことに、もっと後方へ並ぶ人たちに同じ質問をしたところ、
「大丈夫!絶対に買える」
と、答えた人が多かったそうで、実に奇妙な心理の逆転現象が起きていたのだといいます。
これは、無意識のうちに自分自身が受けるかもしれないショックを和らげるための予防線をはる心理現象で、中ほどに並んでいた人たちは、本心では、「おそらくチケットは買えるだろう」と思っているのです。
「しかし、万が一買えない時も、がっかりすることはない」と、自らに言い聞かせるため、あえて「売り切れてしまうかもしれない」と、思い込もうとしていたというわけです。
これを心理学用語で、セルフ・ハンディキャッピングというのだそうです。
その反対に、ほとんどチケットは買えないと思われる後方の人たちは、自分の気持ちを奮い立たせるためにわざと、「大丈夫!」と言っていたのであって、決して本心からの発言ではなかったのです。
その心理学者は、これを「ギャンブラーの幻想」と呼び、彼らは真逆の発言で自らを縛り、現実を否定しているのだと説明します。
しかし、ある意味、これは危険な思考であり、こうした幻想を常に抱き続けることにより、人は等身大の自分を見失うことにもなり兼ねません。
「大丈夫!」とか「出来る」という言葉を安易に口に出す人は、むしろ、「ダメだ」「出来るわけがない」と、確信している人ということも往々にしてあるのです。
そのため、あまり立て続けに「大丈夫」「出来る」を連呼している人の言葉は、要注意と思ってよいようです。
これと似ているのですが、聞きもしないのに取り立てて自分の能力や人脈の広さを自慢する人も、この「ギャンブラーの幻想」にハマっている可能性があるようです。
つまり、自慢するようなことなどないという人に限って、わざと誇張した表現を使いたがる傾向にあるということのようですね。
<今日のおまけ>
写真は、散歩の途中に咲いていた師走のバラです。
『DOCTORS』----今夜が最終回だと思っていたら、最終章の間違いでした。
もう一回ぐらいあるのかな?
ところで、今日は寒かったですね。
本格的な冬の到来のようです。
冬は何が嫌だというと、天気が悪いのと日暮れが早いせいで一日中暗いということ----。
節電ばかりを気にかけていると、それだけで冬季うつ病になってしまいそうです。
今日は、ほぼ一日中照明をつけっぱなしでした。
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