別れの手紙

ちよみ

2012年06月19日 18:14

別れの手紙




    ここに二通の手紙があります。

    どちらの方が、彼と別れたいと思う気持ちが強い女性が書いた手紙だと思いますか?

    

<A子さんの手紙>   

    「お久しぶりです。最近、お互い忙しくて、前のように頻繁に会うことが出来ませんね。あなたからのメールや電話も仕事の話題ばかりだし、二人の間にはもう共通の会話はないに等しいようなものです。このまま、ずるずる付き合っていても単に無駄な時間が過ぎるばかりだから、この際、これまでの関係にピリオドを打って、お互いに新しい一歩を踏み出しましょう。今まで、本当にありがとうございました。さようなら」



<B子さんの手紙>

    「最近、あんまり会話ないよね、あたしたち。このままじゃ気持ちも中途半端で、イライラするばかりだし・・・。こういうずるずるした関係って、嫌いなんだよね。もう、この際、きっぱりと別れた方が良いんじゃないのかな?その方が、お互いすっきりするだろうし・・・。このままじゃ、ホント、良くないと思う。もしも、もう一度本気でやり直す気があるのなら、また連絡してよ。あたしも、きみのこと嫌いなままで別れたくないし。でも、その気がないのなら、もういいよ。あたしもメールしないから。これを限りに、別れよう」



    さあ、どうですか?

    本気で彼と別れたいと思っている女性は、A子さん、B子さん、どちらでしょう。





    答えは、A子さんです。



    その理由は、

    1  手紙の言葉が敬語である。親しい間柄同士が敬語を使うようになったということは、何らかのけじめを付けようと覚悟した証拠。

    2  手紙の文章が、簡潔で短い。しかも、短文にもかかわらず、どうして別れたいのか、別れたあとはどうしたいのか、そうしたことがしっかりと踏まえられた書き方になっている。

    3  最後に、相手への感謝と「さようなら」という別れ言葉がはっきり書かれている。本心では別れたくない相手には、「さようなら」は、出来れば言いたくない言葉だから。




    つまり、これを逆に考えれば、本音では別れたくないと思っているのはB子さんの方ということになります。



    1  B子さんの手紙は、「別れよう」と言いながら文章が未だに会話言葉。しかも、「きっぱりと別れた方が良いんじゃないのかな?」と、判断を男性側へゆだねている。

    2  さらに、「もしも、もう一度本気でやり直す気があるのなら、また連絡してよ」と、二人の関係がもはや修復出来ないものだと、断定はしていない。

    3  また「あたしも、きみのこと、嫌いなままで別れたくないし」と、矛盾したことも書いている。別れるということは、嫌いだからで、好きで別れるということなどあり得ない。

    4  そして、文章がやたらにダラダラと長い。これは、まだまだ彼に未練たっぷりな証拠。

    5  締めくくりに、「さようなら」と、告げていない。本心は、出来れば別れずにすむ方法はないかと、一縷の望みを文末に託しているのである。



    
    文章とは面白いもので、ささいなことからもその人の人柄や本音が見えてしまうもののようです。

    
    
    
<今日のおまけ>

    さっき、少し風が強くなったが、今はまた静かになった。

    嵐が近付くと、子供たちの声がやたらに大きくなる。

    子供は、動物的本能が大人よりもまだ残っているので、何か特別な胸騒ぎを無意識のうちに感じているのかもしれない。

    人間も動物だなァ・・・と、思うのは、寒かったり怖かったりして毛穴が縮む時だそうだ。

    これは、犬や猫などの動物が、敵に遭遇して体毛を逆立てるのと同じことなのだという。

    となると、憤りがすごくて怒髪天突き----などということも、あながち嘘とも言い切れないのかもしれないな。

    
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