健康な人に病気の人の気持ちは判らない
健康な人に病気の人の気持ちは判らない
学校内のイジメが原因で生徒が自殺----ということがあっても、学校側や教育委員会は、
「イジメがあったことは把握していなかった」
「まさか、あれがイジメだとは判らなかった」
などというコメントを出すことが往々にしてあるが、これは、心理学的に見れば、ある意味当然のことなのだという。
何故なら、イジメはイジメられた経験がある人でなければ、その正体を完全には認知し得ないからなのだそうだ。
たとえば、病気で苦しんでいる人を、健康な人がどれほど一生懸命看病したとしても、その苦しみの半分も実感は出来ない。
本音を言えば、医師や看護師だって、患者の痛みや苦しさの30パーセントも判っていないのが実情なのだ。
だから、わたしは、医師や看護師も医療のプロになるのなら、簡単な病気ぐらいは一応一通り経験しておくべきだと言ったことがある。
もちろん、命にかかわるような病気やケガまでするべきだとは言わないが、患者の立場から見れば医療のプロには、その程度の経験はしておいて欲しいと思うのである。
つまり、学校にイジメがあるのではないかとの疑惑が浮上した場合、自らがイジメられた経験もなくイジメというものの恐ろしさについて想像すらつかない教育関係者がそれに対する結論を出すことは、お門違いと言わざるを得ないのではないだろうか。
イジメがあるのかないのか、決めるのはイジメの経験がある第三者の判断にゆだねるのが妥当な方法だと説く専門家もいる。
肉体的に病んでいる人に、それを治すために健康な者に対する方法を用いるようなことをしてはならないと同じように、心を病んでいる人に対しても、それと同様のことが言えるのである。
イジメがあるのかないのかの結論は、過去にイジメを受けた経験者や心理カウンセラーなどの専門家も交えて綿密な調査を行ない、慎重に決定するべきことではないかと考える。
<今日のおまけ>
今日の豪雨は、すごかったですね。
いつものように散歩に出ようとしたのですが、空が急に暗くなって来たのでとりやめて正解でした。
それでも、水道の水があまり濁らずに済んで良かったです。
関連記事