「ぼくの夏休み」って、誰向け?

ちよみ

2012年07月11日 19:20

「ぼくの夏休み」って、誰向け?




    ご近所で小学生を持つママ友たちが話していた。

    「『七人の敵がいる』のあとに始まった、昼ドラの『ぼくの夏休み』って、観てる?----あれって、子供向けのドラマじゃないんだね」

    「ああ、あたしも観た。少年ドラマのようなタイトルで、平成から戦時中へタイムスリップした小学生の兄妹の話だって聞いたから、子供といっしょに観ようと思って録画しておいたんだけれど、あの内容じゃ、とても子供には観せられないわ」

    「----でしょ。竹刀で子供を殴るような体罰シーンや大人の情事っぽいシーンもあるし、タイトルにつられて子供に観せなくて良かったと思っている。それに、あれが戦時中の日本人だなんて思い込まれたら、困るもん」

    「そうだよね~。もっと、子供向けの楽しくてワクワクするような内容かと思っていたら全然違うし、ドラマ全体がとにかく暗い。主人公の兄妹はいつも泣いているし、テーマ曲が由紀さおりの『夜明けのスキャット』って、ど~なのよって感じだよね」



    ママ友たちの会話を聞いて、わたしも興味が湧いたので、ちょっとそのドラマを観てみた。

    確かに、ドラマの内容が暗い。

    平成からタイムスリップした小学生(だと思う)の兄妹が主人公なのだが、妹は失語症を装いある診療所へ入院している。

    兄は、旅館の下働きとして住み込むのだが、その家の主人や主人の子供たちにとにかく暴力を振るわれたり嫌みを言われる悲惨なシーンが多い。

    旅館の仲居とも主人の愛人とも思える若い女も、主人公の少年を言葉汚くののしり殴ったりもする。

    少年の心の支えは、母親に似ている旅館の女将(身重)と肝っ玉の据わった大女将なのだが、彼女たちも旅館の主人があまりに横暴なために少年を全面的に助けることが出来ない。

    また、この旅館の座敷牢のような部屋には、一度は戦地へ応召したものの傷痍軍人となり帰って来た心を病む長男が幽閉同然にいて、少年はその長男に食事を運ぶ役目をいいつかっている。

    そんなある日、その長男に少年は戦時中の日本にはまだ存在しない靴下をはいているところを見とがめられ、転んだ拍子に平成から持ち込んだスマートフォンを見られてしまう。

    それは唯一、平成と自分たちをつなぐ母親の写真がおさめられていたスマホだったが、充電器をなくしてしまい使えなくなってしまった。



    こんなストーリーが展開して行くのだが、どうせ「ぼくの夏休み」というタイトルにするのなら、大人たちを全面に出すのではなく、もっとこの時代の子供たちをたくさん登場させて、主人公たちは偶然親切な大人に助けられ、国民学校の転校生として通学し、当時の子供たちがどのような暮らしや勉強をしていたのかを、今の子供たちにも判りやすく描いた方が良かったのではないかと思った。

    これでは、せっかくのユニークなSFドラマが台無しでないかと感じた次第である。

    とにかく、この昼ドラをタイトル通りにとって、夢のある少年SF物だと思ったら完全に裏切られるので、小学生や中学生の子供さんに観せる時には注意する必要があると思った。



    
<今日のおまけ>

    このブログは、便宜上、長野・須坂・小布施エリアに置いてあるので、地震の記事を不思議に思った人もいるのではないかと思うのですが、元々は下高井郡エリアで書いていたものです。

    以前からお読み頂いている方たちはご存知と思いますが、一応ご説明まで----。

    ただ、昨日の「地震」の記事には大勢の方が「足あと」を付けて下さいました。

  ご心配いただきまして、誠にありがとうございます。


    

    今日は、暑かった!!

    この夏の最高気温だったそうですね。

    長野市の権堂アーケードでは、今、七夕飾り制作の真っ最中だとか。

    アート作家の人たちと一般の人が一緒になって、空洞化の目立つ権堂商店街にかつての活気を取り戻そうと、知恵を絞っているそうです。

    昔の権堂の七夕祭りといえば、子供たちが大喜びの一大イベントでした。

    商店主たちもまだ若く、意欲にあふれていましたから、毎年アーケード街の各店舗が豪華な飾りを競い合い、子供心にもこの時季が待ち遠しかったものです。

    ぜひ、今度は平成の若者たちの力で、伝統ある権堂の七夕祭りを盛り上げてほしいと思います。

        
関連記事