巷の話題いろいろ
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先月、父親(70代)を肺がんで亡くした女性が、父親が肺がんを発症した時の様子を語ってくれた。
初めの兆候としては、軽い空咳のようなものがかなり長く続いたという。
本人は、風邪だろうと思い、病院へも行こうとしなかったが、さすがに一ヶ月を超えても治らないので心配になって、ついに病院へ行ったのだが、その時は、異常を発見できなかったのだそうだ。
それでも空咳は続くので、やはり心配になり人間ドックへかかったところ、痰の培養検査で、ようやく肺がんと判ったのだという。
それから約二年、治療のために入退院を繰り返していたのだが、最後は脳へも転移して、先月眠るように亡くなったのだという。
「父親は、煙草も吸わず、どちらかといえば健康にも気を使う几帳面な性格だったので、まさか、肺がんとは驚いた。職場の環境が悪かったのか・・・。肺がんの中には、レントゲンなどでは発見しづらいものもあるそうで、もっと早いうちに詳しい検査をしてもらえば良かったと思うが、個人的には原因になることが思い当たらないこともあり、父親が肺がんになるなど、未だに信じられない」
女性は、そう語っていた。
確かに、咳以外には特別な症状もなければ、風邪と勘違いして、病院へ行くこともつい一日伸ばしになってしまうかもしれない。
「気付くのがもう少し早かったら・・・」
女性は、今もそれが悔やまれるという。
もう一人、ある女性の話。
この女性(60代)は、つい最近、ご主人が重いがんを患っていることが判った。
抗がん剤などの治療費がかさむので、一時期勤めていた職場へ再び復帰した。
ところが、この復帰には、高いハードルがあったという。
実は、この女性、以前その職場の経営者と大げんかをして、自ら仕事をやめた経緯があったのだ。
その後も、経営者からは、何度か思いなおして戻ってきて欲しいと頼まれたのだそうだが、その時の憤懣が気持ちの中で尾を引いていて、
「二度と勤めてなんかやるもんか!」
と、断わり続けて来たのだそうだ。
しかし、ご主人の病気にお金が必要で、もはや意地を張っている場合ではないと、今度は自分からその経営者に頭を下げて、パートに復帰させてもらうことになったのだという。
午前中3時間、午後3時間の計6時間のパートだが、ご主人の入院費の足しにしているそうだ。
「一度けんかしてやめた職場だから、戻るのは気後れしたけれど、今はそんな自分のプライド云々を持ち出している場合じゃないから」
と、女性は苦笑する。
お金のためなら、自尊心さえもかなぐり捨てねばならないという話に、世の中の厳しさを実感せずにはいられなかった。
<今日のおまけ>
立ったままの作業が苦手だ。
病気の後遺症で背骨が極端に薄いために、立ち仕事をしていると、頭の重さで上半身がめり込んでしまうような感じさえする。
実際、朝と夕方ではかなりの身長差になる。
背骨はいつもボキボキいっているし、鴨居につかまって背を伸ばすのだが、この時はろっ骨同士の間まで開くのが判る。
わたしぐらいにひどい状態だと、寝たきりになる人も少なくないのだそうだが、まあ、何とか奇跡的にそれは回避できた。
もしも、短期間で極端に背が低くなったとか、膝や背中がやけに痛むという人は、両手をまっすぐ上へ上げ、両二の腕が両耳につくかを確認してみるといい。
まっすぐ上に伸ばしたはずの腕が前に倒れているとか、両腕が耳につかないというような場合は、背骨や肩甲骨に何らかの異常があるという証拠である。
もともと円背(猫背)の癖がある人は、こういうこともあるのだが、これまでそんなことはなかったのに・・・と、思い当たる節のない人は、一度、血液検査や副甲状腺のエコー検査を受けてみるのもいいかもしれない。
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