注目されたい女

ちよみ

2012年11月08日 17:10

注目されたい女




    「ザ・世界が仰天スペシャル」で、とにかく自分が注目されたくて仕方がない女が犯してしまった事件を、ドラマ仕立てで取り上げていた。

    被害者は、その女とルームシェアをしていた女性たちなのだが、どうしても注目の的になりたい願望が抑えきれなかったその女は、最終的に自分を被害者に仕立てた自作自演の事件をでっち上げ、それが警察の捜査対象となったために、すべてがバレたという顛末であった。

    このドラマを観たあとで、番組ゲストの一人だった女優の遠野なぎこは、

    「こういう女性、わたしたちの業界にもいますよね。いつも、話は自分の自慢ばかり。誰も褒めてくれないので、自分で自分を誇示するしかないのだと思う。すごく寂しい人なんだと思いますね」

    と、いうように語っていた。

    そういえば、かつてのヒッチコック劇場にも、これに似たような物語があった。

    ニュース番組の男性キャスターが視聴率を上げて自分の知名度をさらにアップさせたいがために、自ら連続女子高生殺人事件を起こし、それを自身がレポートするというストーリーである。

    他人から常に注視されていないと、自分の存在が世間から忘れ去られているのではないかと不安になり落ち着かない---という人はいるが、口を開けば自分の自慢話ばかりとなると、これは既に心を病んでいるといえるのかもしれない。

    そういう人は、そのうち、身近な人たちからだけの注目では飽き足らなくなり、大勢の人の関心を集めなくては気が済まなくなるといわれる。

    それがいつしか犯罪にまで手を染めることにもなり兼ねないのだそうだ。

    また、自分自身には自慢できることがあまりない人が、自分に近しい人の自慢をすることで、結局は遠回しに自分はそういう人の友人なのだ、みんなわたしを尊敬しろ---と、訴えるケースもある。

    番組中で、遠野は、こうも語る。

    「そういう人は、(みんなに飽きられることを警戒して)自慢話をしているように思わせないような話し方をすることもあるけれど、やはり、それだって自慢話に違いがないんですよね」

    どんなに婉曲的な話し方をしても、注目されたい願望が強い人は、尊敬されるどころか、結局は周囲から疎まれる存在になるのだということを、肝に銘じておいた方が良いだろう。

    
<今日のおまけ>

    「わたし、一生、病院へ通わなければいけないんですよ」

    コンビニのレジ係の女性が言う。

    「わたしだって、そうですよ」と、答えると、彼女の顔がちょっとホッとしたように見えた。

    若い頃から通院を続ける人も多い。知り合いの30代の主婦などは、結婚前の20代から定期的に松本市まで通院している。

    「今は、まだ身体が動くから良いけれど、高齢になって寝たきりにでもなったらどうしよう・・・」

    と、不安は拭えない。研修医制度が始まってからというもの、ますます医師の一極集中が顕著化したように思う。

    そりゃ、医師も人間だから快適な環境で医療を行ないたい気持ちも理解できないこともないが、わたしの友人で夫が開業医をしている女性が話していた。

    「東京の小児病院の医師など、ほとんどが臨床に携わらずに毎日パソコンとにらめっこしているだけなんだよ。何のために医学部出たの?---って、訊きたくなる。ただでさえ、小児科医は少ないってのに・・・」

    医師がだぶついている地域もあれば、まったくの無医地区もある。

    専門医がいない地域も無医地区と大差ない。

    
関連記事