同じ匂いがする・・・って、ど~よ?
同じ匂いがする・・・って、ど~よ?
昔は、女性を惹き付けたり、自分の術中にはめる際の常套句には、
「何処かで、お会いしたことありましたっけ?」
が、一般的だったが、近頃は、
「あなたとわたし、同じ匂いがするわね」
だそうだ。犬じゃないんだから、同じ匂いか否かなど判るわけがないのだが、人は、この言葉に何故かグッと親近感を懐いてしまう。
わたしなら、「え?わたし、香水なんかつけていませんけれど」と、まぜっかえすところだが、今の女性たちはとにかく親しい友人に飢えているようで、「同じ匂い」----つまりは、似た経験者同士とか似た境遇同士とかに、コロっとやられてしまうようだ。
似非宗教家や自称メンタルアドバイザーなどの中にも、こうした言葉で巧みに、文字通り他人の懐へ入り込む者も少なくないという。
まあ、メンタルな分野の資格は、ほとんどが民間認定なので、どんなに肩書を詐称しても罪には問われないという理由もあるのだろうが、近頃は、誰にでも臨床心理士まがいの行為が許されているので、こうした言い方で巧みに近付く人には、要注意だという話である。
しかし、冷静になって考えてみると、そうそう世の中に自分と同じような生活環境や経歴を持つ人間などいるはずもない。
たとえば、同病相哀れむとはいうものの、同様の病気を患った者同士とはいっても、既婚者か、独身か、子供はいるかはもちろん、学歴、職歴、経済状態など突き詰めれば、結局は相違点ばかりで、「同じ匂い」などするべくもないことは一目瞭然なのである。
そういえば、奇しくも先日テレビで放送した映画「ナイト&デイ」の劇中、トム・クルーズが図らずも事件に巻き込んでしまった女性に言う、こんな台詞がある。
「安心して下さいとか、安全は保証しますという奴には気を付けろ」
実に、今の時代を言い当てている一言だと思った。
<今日のおまけ>
今日は、朝から実に奇妙な天気だ。
突然、空が曇り、大雨が降ったかと思うと、すぐに日差しが戻り、ポカポカ陽気。
さらに、アメリカ大統領選番組を観ようとしたら、ケーブル基地局の不具合でテレビが放送不能に。
放送電波が受信しにくい場所なので、時々、こうしたことが起きる。
まあ、それでも暖かい日が一日でも長く続くということは、良いことだ。
ところで、軽い脳卒中の症状として、読み上げられた数字をうまく復唱できないということもあるようだが、今日、郵便局でそうではないかと懸念される男性を見た。
局員さんは2560円と言っているのだが、その男性は何度も「2590円?」とか「2096円?」とか聞き返していて、どうしても局員さんの言う数字が正確に口から出ない。
名前を呼ばれれば返事もするし、他の質問には的確に答えていたので、耳が遠いわけでもなさそうだ。
人ごとながら、ちょっと心配になった。
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