気配りのない話し方
気配りのない話し方
ついやってしまいがちな気配りのない話し方。
「あんな言い方って、失礼だよね」
そんな風に感じるお年寄りたちが、最近多くなってきたようだ。
「来年は、もう生きていないかもしれないんだから、今年のお祭りはぜひ見ておいた方がいいよ」
ある高齢女性は、親戚のお嫁さんからこんな風に言われたという。
「冗談にしても、配慮がなさすぎる」
と、怒り心頭だ。
「長生きなんかするもんじゃないね。死んだもんの勝ちだよ」
親戚のお葬式で、こういう言葉を聞いた高齢男性。
「ああ、悪かったな、長生きで!」
嫌みを言って、出て来てやったと話す。
「年寄りは、もうどんなに頑張っても、あとがないけれど、若いもんは病気になっても回復する見込みがあるんだから・・・」
と、雑談の最中に近所の主婦から言われた高齢男性。
「年寄りだって、回復力ぐらいある。若くたって死ぬ奴もいる。言葉の使い方を知らないにもほどがある!」
ふざけるな!と、カンカンだ。
「うちのバカ娘、O型なんだよね。ガサツで、どうしようもない」
という、近所のおばさんの愚痴を聞いていたO型女性。
「わたしもO型なんですけれど、確かにガサツですよね」
そう言ったところ、おばさんは大赤面したそうだ。
その気はなくても、知らぬ間に相手を傷つけている言葉というものは、日常茶飯事に使われている。
良かれと思って励ました一言が、逆に相手を追い詰める結果になる場合もある。
もの言えば、唇寒し----ではないが、Aさんには良くても、Bさんには不都合な言葉というものもある。
その人が実は、どんな気持ちであなたの一言を聞いているのか----想像力をたくましくして話はしたいものである。
<今日のおまけ>
ナポリタン----これを考え出したのは、戦後、進駐軍の兵隊たちがスパゲティーにケチャップをかけて食べているのを見た高級ホテルの日本人シェフだったそうだ。
シェフは、ケチャップを使わずに、生のトマトを使ってナポリ風ソースを作り、一晩寝かせてうどんのように軟らかくなったスパゲティーに絡めて客に提供していたのだという。(当時の日本人には、アルデンテのパスタは硬すぎて食べにくかったのだそうだ)
ナポリタンの名前は、ここからついたのだとか・・・。
ところが、このシェフから直々にナポリタンの作り方を教わった街のレストランのコックさんは、ホテルの高級ナポリタンの作り方では値段も高く、庶民の口には入らないということと、トマトが夏場しか採れなかった時代ということもあり、ソースに安価なケチャップを使ったところ、一気に人気を得て、日本中に広まったのだそうである。
その後、スパゲティーはパスタとも呼ばれるようになり、種類もぺペロンチーノ、ミートソース、ボンゴレ、カルボナーラ、アラビアータ、たらこ、明太子などなどバリエーションに富んだものが好まれ始めると、ナポリタンはお子様ランチの付け合わせ程度の位置へと追いやられ、人々の記憶から遠ざかって行ってしまった。
しかし、ここに来て、そのナポリタンが再び復活の兆しを見せているという。
家計にも優しい値段で食べることが出来るナポリタンの素朴で懐かしい味に、人々が安らぎや癒しを求め始めているのではないかと見る向きもある。
初めて食べたスパゲティー料理がナポリタンだったという人も多いだろう。
わたしも大好きなスパゲティーである。
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