不思議な事件
不思議な事件
次男で日本テレビ社員の御法川雄斗容疑者(31)が窃盗未遂容疑で逮捕されたことを受けて、タレントのみのもんた(69)が13日、神奈川県鎌倉市の自宅前で取材に応じ、「大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と深々と頭を下げた。
みのは次男について「もう30を過ぎた男の別の人格。あれこれとやかく言う筋合いのものではない」としながらも、「どうしても家族の一員、次男という気持ちは切っても切れない」と本音を吐露。「父親として息子のことも信じたいし、日本の治安を守っている警察も信じたい」と話した。
この日、TBS「みのもんたの朝ズバッ!」(月~金曜前5・30)など報道番組の出演を自粛することを発表。「公明正大でなければならない、中立でなければならない報道という局面に立たされるキャスターだからといって、(次男と)“別の人格だから”とは言い切れない。(キャスターという)そういう立場からいったん自粛しなければ事は収まらない。キャスターという立場から一歩外れて推移を見守るべきだと決意した」と時折声を詰まらせて説明した。(YAHOO!ニュース)
ワイドショーのコメンテーターたちも、皆、首を傾げる不思議な事件だ。
人も羨む日本テレビに就職していて、しかも、日本を代表する名司会者の息子という立場の人間が、まさかお金に困っているはずもないのに・・・と、いうのが、一報を聞いた人たちの反応である。
一部報道では、街中で泥酔して眠っていた男性のカバンを盗み、その中に入っていたキャッシュカードで現金を引き出そうとしていたところを逮捕されたということだが、既に、別のコンビニで2万円ほどを引き出してしまっていたのでは・・・との話もある。
31歳といえば、もはや立派な大人である。
社会人としてのプライドもあるはずの男性が、何を血迷ったのか?----と、問いたい。
そんな疑問に対して、ある番組でコメンテーターを務めている女優の東ちづるさんが、こんな見解を述べていた。
「わたしは、以前、窃盗や万引きなどをした人たちに話を聞いたことがあるのだが、そういう人たちの中には、案外、地位も名誉もある人物を親に持つという者が多い。
そんな人たちの心理を分析すると、優秀な親に反抗したいという願望が強く、親を困らせてやりたいという気持ちが根底にあるように思われる。
親を困らせることで自分への関心を引き、『もっと、わたしに注目して欲しい』と、彼らは訴えているのではないだろうか?」
とはいえ、凶悪事件を引き起こす勇気などない彼らは、窃盗や万引きのような軽犯罪の類で満足するのだという。
さらに、
「これは、いわゆる自傷行為と同じものであり、自分の身体を実際に傷付ける替わりに、自らの名誉や地位、社会的立場を傷付けることで、人生をリセットしたいという思いの表われなのだ」
と、東さんは語っていた。
そうなると、もしかしたら、御法川雄斗容疑者は、母親の存命中は母親からの愛情を支えとして何とか理性を保ち、自らを律することが出来ていたのだが、突然その支えがなくなってしまったがために、一気に自信を喪失し、生きて行くことへの不安感を増大させてしまったのかもしれない。
ゲストコメンテーターの一人は、
「息子とみのさんとは人格が別なのだから、みのさんが必要以上に責任を感じて番組を降板する必要はない」
と、話していたが、バラエティーの司会はともかくも、常識と正義の人というイメージで報道番組を仕切ってきた責任は軽くはないように思われる。
事件の今後の展開が気になる。
<今日のおまけ>
今日も夏のような暑さだった。
いきなりの夕立ちまで降って、何とも蒸し暑い。
で、弟から面白い話を聞いた。
「取材に行ったところで、偶然、学生時代にうちの父親と同じ下宿に住んでいたという旧制早稲田大学卒の男性と会った。その人が言うには、同じ六大学生のよしみで、父親と一緒に映画俳優の新人発掘オーディションに参加して、なんと合格した----と、話していた」
そうである。
まあ、結局二人とも演技の練習が性に合わず、俳優になることはなかったのだが、戦後の大学生たちもそれなりに青春を謳歌していたようである。
因みに、その下宿には旧制六大学の学生たちが大勢住んでいて、かつて教わった法政大学卒の自動車教習所の教官からは、
「おれ、あんたのお父さんが引っ越した直後、同じ部屋に入ったんだよ」
と、聞いたことがあった。
世間は広いようで狭いものである。
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