共同浴場のジレンマ
♨共同浴場のジレンマ
久しぶりの外湯ネタ。
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共同浴場へ行ったら、ガラス戸に『水道の水は忘れずに止めること』という旨の張り紙があった。
お湯は天然温泉で、なかなかの高温。
夏場は特に熱くなるので、水をうめなくては入ることが困難なほどだ。
だから、入浴する際は水道の水を入れながら入るのが普通なのだが、入浴者の中には、水を出しっ放しで帰ってしまう者もいるらしい。
また、入浴前に水を出したまま買い物などへ行き、ちょうど適温になった時分に戻って来て入るという人もいるそうだ。
入浴者も最近は大半が高齢となり、持病を抱える人たちも多くなって来た。
そんな人たちに熱めのお湯は大敵である。
どうしても、水で湯加減を調節しなければ入ることが出来ない。
一時は、水道料がかさむということで、出湯の量を少なくしたり、湯もみ棒を置いてみたりもしたようだが、それでは衛生面で問題が生じるし、高齢者には湯もみなど体力的に無理というものである。
せめて、水道を使うのは入浴している時だけにしてもらい、上がる際は確実に水道を止めて欲しいという意味の張り紙なのだろう。
しかし、時には、後から入る人のことを思いやるつもりで、水を入れたまま出て行ってしまう人もいるのかもしれない。
もちろん、まったくの蛇口の閉め忘れという場合もあるだろう。
水道料が値上がれば、温泉利用者の協力費も値上げされることになる。
入浴者の健康か、水道料の節約か----共同浴場のジレンマは今も続いている。
<今日のおまけ>
台風一過で秋晴れのすがすがしい日だった。
散歩もいつものコースの距離を少しばかり延ばして、ゆっくりと歩く。
街には、外国人観光客の姿もちらほらと見え始めた。
これからは、過ごしやすい気温となり、温かな温泉も恋しくなるし、紅葉もきれい、食べ物もおいしく感じる季節だが、観光の目玉としてはもう一つ何かが足りないような気がしてならない。
「身近で手軽に体験できる芸術感が足りないのよ」
と、ある人は言う。
ならば、街中で突然始まる不特定多数によるコーラス・パフォーマンス----今流行りのフラッシュモブなどはどうなのだろうか?
もちろん、仕掛け人は地元有志にお願いするということなのだが。
たとえば、足湯に入っている浴衣姿の観光客の一人が突然歌い出すと、それに呼応して通りすがりの人もコーラスに加わるようなフラッシュモブを、本物の観光客の前でいきなり始めてしまうような・・・。
かなり特別な、思い出に残る温泉旅行体験が出来るのではないだろうか。
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