観光客はいるのに・・・
観光客はいるのに・・・
「この街って、観光客は大勢歩いているのに、街の住人(ひと)たちがほとんど外へ出ていないのはどうしてですか?」
父親が散歩の最中に、観光客から訊かれたそうだ。
う~~ん、確かに住民たちの姿が見えない。
その理由の一つに、街の中に日常使う食品などの買い物が出来る場所が、ほとんどないということが挙げられるのではないかと思う。
小売店にしてもスーパーにしても、住民たちが気軽に集まりおしゃべりが出来る場所があれば、自然と街も活気づくし、人通りも頻繁になる。
しかし、取り立てて出かける場所がないために、皆、家の中にいるしかないのだ。
さらに、高齢化も街に人が出て行かない理由になるだろう。
足腰が痛んだり衰えたりすれば、当然、外歩きは難しくなる。
家の中では平気で歩ける人でも、表の道路を歩くのは容易ではない。
道路にはかなりの凸凹がある上に、通行人や自動車をよけるためには、実は相当の体力や瞬発力が必要となることを、健常者は知らないのだ。
しかも、わたしが住んでいる街は、緩やかではあるものの坂だらけである。
道路は、上りか下りのいずれかしかない。
家を出て下れば、帰りは上りとなるわけで、足や心肺の衰えた高齢者には過酷な環境となっている。
ある男性は、医師にウォーキングを勧められたものの、坂道を上ることが苦し過ぎるために下り続け、とうとう中野市まで下ってしまい、帰宅することが出来ずに携帯で奥さんに車で迎えに来て欲しいと頼む破目になってしまったという。
因みに、中野市との標高差は300メートル以上にもなる。
街の住民の多くが若い頃は、ご近所同士の行き来もよくあったのだが、今は日に一度共同浴場に出かける時だけが外出時間という人も少なくない。
このブログにも過去に幾度か「住民は出来るだけ外へ出て、街中をにぎやかして欲しい」と、書いたが、まさか、それを観光客から指摘されるとは・・・。
町内の人口も年々減る傾向にある。
一口に言って、若者の働く場所が少ないせいだ。
「子供たちの勉強の成績を上げることで、若い親たちがこの町で子育てをしたいと思ってくれれば・・・」
そんな記事を新聞で読んだが、そういう問題ではないだろう。
まずは、町の主産業である観光業を発展させ、若い人たちの雇用の場を増やすことが急務なのではないだろうか。
小手先ばかりの付け焼刃の誘客対策など、何の効果も発揮しないことはこれまでの何度もの失敗で懲りているはずである。
観光対策は、一度頑張ればそれでいいというものではない。継続が大事なのだ。
中には継続しているものもないわけではないが、町民への周知や理解が不足しているために単に一部地域で空回りしているだけのようにも思える。
<今日のおまけ>
何処かの共同浴場での入れ墨問題がクローズアップされているらしい。
「入れ墨は民族文化の象徴なのだから、思いやりをもって欲しい」
と、当事者の外国人女性は訴えているそうだが、では、外国へ行った日本人が、日本ではこれが常識なのだから日本流でやらせてもらうといって、通用するのだろうか?----と、あるブロガーは疑問を呈していた。
その国のマナー(法律違反に限らず)を無視したことで、周囲に不快感を与え、下手をしたら刑務所行きという場合もある----というのである。
とにかく、郷に入ったら郷に従う----それも、日本という国に対する敬意の表し方ではないだろうか。
思いやりと甘やかしを混同しては、真の友好関係など生まれない----と、誰かが言っていた。
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