中川昭一元財務相の死・・・・・191
~ 今 日 の 雑 感 ~
中川昭一元財務相の死
10月4日午前8時20分ごろ、中川昭一元財務・金融担当大臣(56)が、東京都世田谷区の自宅で死亡しているのを妻・郁子さん(50)が見つけ、119番した。
中川氏は、自宅二階の寝室のベッドでポロシャツと短パンの姿でうつぶせに倒れ、ベッドには吐いたあとがあったという。
最近は、よく眠れないともこぼしていて、睡眠薬を服用していたということであるが、寝室の机の上には、都内の総合病院から処方された睡眠薬とみられる錠剤があったということである。
わたしは、このことをまったく知らなかったが、母親から「中川さん、死んだんだって、ニュースでやっている」と、聞いた瞬間、「ああ、睡眠薬と酒を一緒に飲んだな」と、直感した。
中川氏は、若い頃からお酒を大量に飲んでいたそうであり、今年2月のG7(先進七カ国財務省・中央銀行総裁会議後のあの朦朧会見でも指摘されていたように、現在は既にアルコール中毒にもなっていたという話でもあることから、肝臓もかなりダメージを受けていたと考えるのが妥当であると思う。
死後の行政解剖では、死因を特定することは出来なかったようで、遺体は病理検査へ回されたそうである。事故死ではなく病死の可能性もあるということだが、普通政治家といえば、自身の健康には一般人以上に気を配らなくてはならないはずだと思うが、何故、過度の飲酒を止めることが出来なかったのであろうか?
それがないのに、バランスボールや鉄アレイで筋力をつけたところで、無意味であることが、東大法学部卒の中川氏に判らなかったはずはないので、つまり、それほどまでに、政界の水が彼に合わなかったのかもしれない。酒がなくては、まともに他の政治家や国民と渡り合うことが出来なかったのであろうと思う。
しかも、今回の衆議院選挙での自身の落選は、これまでほとんど挫折というものを経験したことのなかった世襲議員の彼には、あまりに堪えがたい苦難ではなかったのかと、政治評論家は語っていた。そして、この自民党の大敗北をけん引してしまったのは、他ならぬ中川氏自身なのである。
麻生政権になった直後に衆議院を解散していれば、勝てたかもしれない選挙を、景気対策を最重要課題に掲げ、解散は景気回復のめどが付いた時にしませんかと、盟友である麻生総理に進言したのも、財務・金融大臣であった中川氏なのであるにもかかわらず、あれほど、気をつけろと言われた酒がもとで、前代未聞のしどろもどろ会見で、自民党の足を引っ張ってしまったという慙愧の念は、プライドが高い彼のなかでは、消すに消せない汚点となってしまったのかもしれない。
振り返れば、中川氏の父で「北海のヒグマ」の異名をとっていた中川一郎元農相も、落選一年後の57歳にしての自死である。何か、親子の因縁を感じずにはいられない。
しかし、この中川氏の死によって、落胆の色を濃くしているのは、拉致被害者家族の人たちであるという。中川氏は、超党派でつくる拉致議連の会長も務めていたため、国会議員の中でも、特に、この拉致問題には真剣に取り組んでいた一人でもあり、この大きな柱を失った拉致被害者家族の人たちの失望感は、大きいという。
それにしても、政治家の自殺や早世が多いのは何故なのだろうか?ある専門家は、政治家が選挙で落選するということは、一般人には想像できないほど屈辱的なことなのだと、言っていた。まあ、それはそうかもしれない。それまでは、先生、先生と、取り持たれていた人間が、一気にただの人になる訳だから、悔しさや恥ずかしさは尋常ではないのかもしれない。が、それは、つまり、彼らが、一般人を「みじめな可哀そうな人間たちだ」と、思っているせいではないだろうか?と、わたしなどは勘ぐってしまう。
中川氏は、選挙期間中はいったん止めていた酒も、落選後にはまた飲み始めていたそうである。正に、自己逃避としか思えない。もしも、彼に、この朦朧会見や落選を、後の選挙演説に使うための一種のネタだとでも思う気持ちのゆとりがあったなら、このような悲劇的な結末を迎えることはなかったのではないかと、何とも残念に思う次第である。
中川氏には、25歳の娘さんと、まだ17歳の息子さんの二人の子供さんがいるというが、この二人には、間違っても、お祖父さんやお父さんの地盤を継いで政治家になろうなどとは思って欲しくないと考えるのは、わたしだけではないであろう。
ご冥福をお祈りいたします。
<今日のおまけ>
小説ブログなのに、最近そのアイデアが浮かばない。それに、小説を掲載すると、それは消したくないので、ブログにたまる一方になる。「ちょっと、一服」は、いつ消しても構わない。まあ、もうしばらくは、このスタイルで行こうと思う。
今日の午後、我が家の近くの共同浴場で、男性が入浴中に倒れ、救急車で病院へ搬送された。
そういえば、昨夜も、すぐ近所で救急車が止まったので、さっき近くの住人に訊ねると、お隣の主婦が救急車に乗り込んで病院へ行ったという。この主婦は、何かあると、すぐに病院へ入院したがるのだそうだ。しかも、ご主人に言っても連れて行ってくれないので、自分でタクシー代わりに救急車を呼ぶのだという。
もしも、本当の急病人が出た場合、どうするのだろうか?本当に、身勝手な女性である。彼女は、自治体へ払っている税金を考えれば、使った方が得だという考えの持ち主だそうだ。
そして、病院へ行けば、決まって自分から入院を頼みこむのだという。
ここにも、一人、病院をホテルがわりに使う高齢者がいたのだ。年寄りの我儘には、呆れるばかりである。
民主党も、後期高齢者医療はしばらく存続する方針のようだ。こうした高齢者が増えると、それもやむを得ないだろう。
高齢者の敵は、案外、同じ高齢者なのかもしれない。
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