観光地の大いなる誤解・・・・・205
~ 今 日 の 雑 感 ~
観光地の大いなる誤解
以前、県会議員の選挙があった時、わたしの知り合いの女性が立候補しました。
しかし、彼女は、おしくも落選。わたしは、絶対に当選すると思っていたので、この結果には、正直驚きました。
女性候補は、地元の活性化のために日々懸命に努力してた人でもあったので、女性票は確実だと考えていたのです。ところが、いざ、フタを開けると、対立候補の男性にかなりの差をつけられていたのです。しかも、ほとんどの女性票が何故か男性候補の方へと入っていたのは、実に予想外でした。
しかし、あとでその理由の一端が判ったのです。それは、その女性候補を推した陣営に、観光地の旅館やホテルの女将会が入っていたという理由だったのです。
表立っては、さして嫌悪感を示すことはない一般家庭の主婦たちが、この時ばかりは、旅館やホテルの女将たちに公然と反旗を翻したという訳なのです。ある、主婦は言っていました。
「女将会が推しているんなら、別に、あたしらが票を入れなくてもいいでしょ。あんなお偉い女性たちがバックアップしている候補を、あたしらみたいな下々の者が応援するなんて、おこがましいわよね」
この主婦の言葉は、選挙運動に関係のないわたしにも、「なるほど、問題はここにあったか・・・・」と、目から鱗の落ちる発見をさせてくれました。女性の敵は、正に女性なのです。つまり、この女性候補の落選は、こうした女将会VS一般主婦の、確執の狭間におかれ、貧乏くじを引いてしまったという構造だったことが判りました。
実際、「旅館の女将たちが推していなければ、絶対に彼女へ投票していたわ」と、言う主婦にも会いました。
この10月3日から、長野電鉄湯田中駅で、湯田中渋温泉郷の旅館の女将や山ノ内東小学校児童らが、湯田中駅に到着した列車から降りる観光客を歓迎するという活動を始めました。
これは、JRグループや自治体などが連携して、「信州デスティネーション・プレキャンペーン」なるものを行なうことに伴う、「おもてなしの心を示す」という目的のための町観光連盟の呼びかけで始まったものだそうで、12月まで催されるということです。しかし、何故、観光客を出迎えるのが旅館の女将さんなんでしょうか?どうして、農家のおかみさんたちではないのでしょうか?山ノ内町は、農業も盛んな町のはずです。
この記事を読んだ時に、まずその疑問が頭をもたげました。
確かに、綺麗に化粧をした旅館の若い女将衆が出迎えれば、観光客も嬉しいと思います。自治体である町も、そこに目を付けたのでしょう。でも、この活動が町内の人たちに知られているかと思うと、ほとんど知らないという答えでした。知らないどころか、「旅館さんたちのやることなんか、関係ないね」と、いう住民が大半のようでした。
そこで、わたしが、それじゃァ、どういう人たちが出迎えたらいいと思うかと訊くと、「農家のおかみさんたちが、姉さんかぶりのモンペ姿で、真っ赤なリンゴを一つずつプレゼントしてくれた方が、嬉しいんじゃないかな?おれなら、その方がいいね」と、いう返事でした。そういえば、この湯田中駅では、毎週土曜日と日曜日の午後3時から午後5時まで、「かあちゃんの夕市」なる出店が開かれているそうです。
そこでは、畑で収穫して来たばかりのリンゴやブドウ、大根、キャベツなどの野菜に加え、珍しいポポーという果物や、イチジク、アケビなども並ぶことがあるとか。その日の出店者によっても並ぶ商品は違うものの、お焼きや、リンゴパイなど、農家の母ちゃんたちの手作りの味も売られ、それがかなりの安価であることなどから、観光客や地元の人たちに大変好評だという話なのです。
どうして、町は、こういう女性たちの存在に気が付かないのでしょうか?彼女たちが自分たちの利益度外視で頑張る姿は、皆が応援したくなるものだということでした。
観光地の自治体や、旅館組合などは、何処か視点がずれているように思えてなりません。
地元のお婆さんたちしか知らない昔話や、そこに行かなくては食べられないものなど、掘り起こせば観光地の中に埋もれている付加価値などは山のようにあるはずなのです。なにも、若い女将衆の力ばかりに頼る必要などはないのです。
「秋の夜長、お焼きを食べながら、地元のお婆ちゃんの昔がたりを聴きませんか?」
このイベントを毎週続けるだけでも、誘客効果は生まれるものです。
観光地が何か大いなる誤解をしつつ、誘客活動をしているような気がしてならないのは、わたしだけでしょうか?
<今日のおまけ>
JAL(日本航空)が、にっちもさっちも行かなくなって、この年末にかけて国が2400億円の税金を投入しようという話があるそうだが、JALの元社員の人たちの厚生年金がなんと、一月50万円にもなるのだという。つまり、国民は、そのJAL元社員たちの年金分を税金で支払わされるという、実に馬鹿げた話になるのだそうだ。
JALの社員には、何故か政治家の子供たちが多い。そして、この大赤字の元は、そうした政治家たちが、各地方に必要もない赤字覚悟の空港をいくつも造り続け、更に、そこを利用する航空会社が見付からないので、JALに頼むということの繰り返しで、採算がとれないにもかかわらず飛行機を飛ばして来たツケが、ついにここへ来てどうしようもないくらいの額に膨らんでしまったということなのである。
わたしのように、飛行機などほとんど必要のない生活を送る者にとっては、正直、JALが潰れようと空港がなくなろうと一向に構わないが、自分たちの経営の間違いは棚にあげて、国民の税金で会社を存続させるようなことだけは絶対にして欲しくはない。ましてや、そこから元社員たちの厚生年金までが支払われるなど、言語道断な話である。
航空会社などという人も羨むような会社に就職できただけでもありがたいことなのだから、これ以上の高望みは罰あたりというものである。
自民党と同じように、JALもいったん更地にして立て直すことが必要なのではないだろうか。
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