本当は、あなた嫌われているんですよ・・・・・497
~ 今 日 の 雑 感 ~
本当は、あなた嫌われているんですよ
今日は、ホテルや旅館等の観光業にかかわっている人たちには、少々耳の痛いことを書きたいと思います。
先日、散歩の途中で、実に興味深い光景を見た。
六十代ほどの男性のすぐそばに、如何にも高級そうな乗用車が停まり、ドライバーが窓から顔を出すとその男性に訊ねたのである。
「すみません。ちょっと、教えて欲しいんですが、〇〇〇ホテルはどう行ったらいいんでしょうか?」
すると、その男性が言うことには、
「行き方は知っているけど、言わねェ。どうして俺がホテルが稼ぐ手伝いをしなきゃならねェんだ。勝手に探せや」
ドライバーは、驚いたようないかにも心外だという怪訝な顔つきで、車を走らせて去って行った。そして、その男性は、そばにいたわたしの顔をチラッと見ると、同意を求めるように、
「ホテルの旦那たちなんか、おれたちと会っても下目に見るだけで話もしやしない。あんな奴らのために誰が協力なんかしてやるかってんだ。-----なァ?」
「はあ・・・・・」
わたしは、どういう顔をして答えたらいいのか判らず、うすら笑いを浮かべるしかなかった。
自治体は、観光客の誘致には手っ取り早く旅館やホテルなどとタイアップしてゆるキャラなどを考えればいいと、実に安易に考えている。しかし、これまでも何度も書いて来たように、ホテルや旅館ほど正直住民たちに嫌われている存在はないのだ。
下馬評では当選確実と思われていた旅館の女将たちが押していた県会議員候補が、一般の家庭の主婦たちのやっかみや恨みで落選するということなど平気で起きる。
どうして、これほどまでに旅館やホテル関係者はうとまれているのかと言えば、結局、彼らの日ごろからの周囲の住民に対する「殿様」意識がそうさせているのである。
しかし、どんなに大きなホテルや旅館でも、実際の内情は火の車であることはあまり知られてはいない。傍からは経営者が贅沢三昧に暮らしているようにみえるものの、皆、気の遠くなるような借金をかかえて青息吐息の営業をしているものなのである。
ただ、営業を続ける限り、金融機関もこれまで貸し付けた金が焦げ付くのを恐れて、館内の補修工事費やその他の支払いのためにさらに金を貸す。
こうして、倒産するまで栄養剤の点滴を続けるものだから、実際に潰れて不良債権となり競売にかけられるまで周囲の住民たちには判らないのである。
だから、倒産した経営者がどうなろうと、住民たちはまったくの無関心である。それが、観光地の血も涙もない現状なのだ。
そんな旅館やホテル関係者と自治体が活性化のために手を組んだところで、誰も関心など持たないし、協力もしない。こんなことは、もう百年にもわたって続いていることで嫌というほど判りきっているはずなのに、何故、未だにこんなところにしか目を付けられないのかが判らない。
発想の貧困さには、あきれ返るばかりである。
自分のホテルだけが儲かればいい。ホテルや旅館だけが潤えばいい。そんな考え方を変えなければ、観光地に未来などないのである。
今こそ、どうしたら、観光業者と一般地域住民とが協力して自治体起こしに取り組めるかを、性根を据えて考えなくてはならないのではなかろうか?
<今日のおまけ>
自称 女将さんのコメント欄にもう少し意見を書き込もうかと思いましたが、あまり、他の人のブログを使わせていただくのもどうかと思いましたので、ここに書きます。
女将さんは、渋温泉あっての山ノ内町だと言われていますし、そのくらいの気概も必要だと思います。
しかし、その気概が自惚れになっては困ります。
「しぶざるくん」のキャラクターにしても、渋温泉単独で作るのではなく、他の温泉場にも相談されて、統一のキャラクターを開発しようという発想がなかったことが、今更ながら残念でなりません。
つまり、いつも「俺だけがよければいい」の発想なのです。
この考え方を改めない限り、山ノ内町に未来はないとさえ思います。
わたしは、時々、こうした議論めいたことをしたくなる性分でして、女将さん、相手をして頂きありがとうございました。
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