~ 今 日 の 雑 感 ~
高齢者ほど熱中症になる訳
先日のニュースで、熱中症は高齢者に多く、しかもその発症がほとんど屋内で起きるということを取り上げ、その理由を解明しようと実験を行なっていました。
9歳、25歳、69歳の男性を同じ部屋へ入れ、三人を壁を背にして椅子に腰かけさせます。
その前方には、幾つもの赤外線ランプの付いた機械があって、それを点けて徐々に温度を上げて行くのです。
最初に9歳の男の子が28度の段階で早くもペットボトルの水(スポーツドリンクかも?)に口を付けました。
子供は、身体が小さい分、水分が少し減っただけでも喉の渇きを覚えるのだそうです。
次に、ペットボトルを手にしたのは25歳の男性でした。男性は、30度を超えた時点で、「頭がボーッとして来た」と話していました。
そして、33度。しかし、69歳の男性はそれでも平然としたものです。汗はそれなりにかいているのですが、あまり熱いとは感じていないようで、「やっと、ぬくぬくとして来た感じだ」と、話しました。
この実験は、医師や保護者立会いの下で行なわれていましたが、このぐらいが限界とみて、33度まで上げたところで終了しました。
若い二人は、本当に暑さで大変な様子でしたが、高齢男性は涼しい顔でした。
医師は、これが危険なのだと言います。高齢者は、我慢強いのではなく、明らかに温度の高さを感じていないのだというのです。
つまり、気温の上下に鈍感になっているため、真夏に部屋の窓を閉め切ってクーラーや扇風機もつけずにいて、意識がもうろうとなった時は、既に手遅れという状態になるのだとか。
人間の身体は、気温が上がると汗をかいたりして体内の熱を外へ逃がし、調節するのですが、その体外の気温が体温を上回ると、逆に熱は体内へ戻って来るという状態になり、体内温度が生命を維持できないほどに急上昇して、死にいたるというのです。
しかも、実験でも判ったのですが、この実験の間、高齢男性はただ一人水を飲もうともしませんでした。喉が乾かないというのです。
この水分(+ミネラル)補給を怠るということも、体内の温度を上げる要因となり、熱中症を加速させてしまうのです。
70代の高齢者夫婦は、「クーラーはぜいたく品だから滅多につけない。電気代がかさむ」「妻がクーラーが嫌い」などと言って、ものすごく暑いマンションの部屋の中で、とても真夏とは思えない長袖を着て、平気で座っていました。
これには、レポーターも愕然としていました。
とにかく、熱中症対策には、自分の体感温度を信じるのではなく、室内に寒暖計を用意し、気温が28度を超えたらとにかくクーラーをつけるのが肝心と、説明していました。
もしも、寒く感じるのなら、その中で厚着をすればいいのではないでしょうか。
そういえば、わたしの周りの高齢者たちからも「窓を開ければ涼しいから・・・・」「エアコンをつけるなんてもったいない」という声をよく聞きます。
就寝中に窓も閉め切った中で亡くなるケースも多いことから、「寝冷えは大敵」などという、最高気温28度などといっていた30年も前の常識にとらわれることなく、エアコンを上手に利用して酷暑を乗り切りたいものですね。
因みに、35度を超えたら、扇風機のみの使用はやめて欲しいそうです。
確かに、扇風機はエアコンに比べて消費電力がお得なので、28度に設定したエアコンと併用して使えばかなり体感温度を下げることが出来ますが、35度にもなれば扇風機だけを回すと身体に熱風を浴びせることになるので、逆効果なのだそうです。