車椅子のお客さま・・・・・794
~ 今 日 の 雑 感 ~
車椅子のお客さま
わたしの家は、商売をしています。
先日の午後、60代ぐらいの女性のお客さまがみえました。
色々と品物をご覧になりお買い上げ頂く間、外の路地には30代と見える女性が、一緒に来ている車椅子に乗った薄い白髪の老人に、日よけのためのコウモリ傘をさしかけながら立っていました。
車椅子の老人は男性で、見るからに痩せてやつれ、椅子には点滴スタンドが付いていて、点滴用のパックが下げられています。
買い物をして下さった女性客が話すことには、老人と思った男性は、その女性客のご主人で、まだ60代。
傘をさしかけている若い女性は、ご夫婦の娘さんでした。
この六月にご主人にがんが見つかり、既に手遅れの状態だったそうで、主治医から「もう、長くはないと思われますので、行きたいところがありましたらご旅行にでもお連れして、おいしい物を食べて、ご家族水入らずでお過ごしください」と、言われたので、自宅のある埼玉県からご主人の故郷である信州へやって来たのだということでした。
「やはり、最後は生まれ故郷の信州を見てから逝きたいと、主人が言うもので、連れて来たんです。信州の風は心地いいですね」
奥さまは、努めて明るく言われました。
まだ、60代。これからが第二の人生のスタートだという時に病気で倒れるとは、運命は皮肉です。
がんなどという病気が早く世の中からなくなることを願わずにはいられません。
<今日のおまけ>
わたしは、骨が変形しているために、早い話が鳩むねの猫背になっているのです。
朝、起きた時はそれでもまだ伸びているのですが、時間が経つうちにどんどん頭の重さで上半身が押しつぶされて、かなりの胴太になってしまいます。
こうなると、両腕がまっすぐ上へ上がらなくなり、座っているのさえも苦しくなるほどなので、一日に数度ベッドへ横になり疲れをとります。
こんなわたしに「まだ、足、浮腫んでいるの?」「ゆっくり治してね」などと、声をかける人もいますが、その声のなんと他人行儀な虚しい響きでしょうか?
結局、そういう人にとっては他人事ですから、「そんな身体でいつまでもいる人間に付き合っている暇はないんだよ」と、いうことなんでしょうね。
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