~ 今 日 の 雑 感 ~
大学入試カンニング事件
さすがは、ネット時代。
わたしたち世代には、思いもつかないカンニング事件が起きた。(あえて、事件と呼ばせてもらう)
京都大学、早稲田大学、同志社大学、立教大学の入試で、試験中にインターネットの「ヤフー知恵袋」を使うという大胆カンニングが行なわれたのだ。
しかも、このカンニングをした人物は、この入試本番に向けて去年、河合塾の模試の最中にも、同様の手口で外部の第三者に試験問題を解かせ、カンニングの予行演習までしていたのだという。
つまり、「ヤフー知恵袋」に投稿された質問に回答を寄せた何も知らない第三者たちは、身に覚えのないところで、間接的にカンニングの手伝いをさせられていたのである。
この詳しい手口については、インターネット音痴のわたしなどには、もう一つ理解できないのだが、どうやら、犯行には二人の高校生(一人は東北地方在住か?)がかかわっていたのではないかということが、警察の捜査によって明らかとなりつつあるようだ。
これまでにおおよそ判ったことは、試験会場に実際入っているAという高校生が、服の袖などにカメラ付き携帯電話をしのばせて、答えを考えるふりをしながら問題用紙に書かれてある設問を撮影し、会場の外にいる共犯のBという人物(もう一人の高校生か?)へ送信する。
画像撮影時の音は、消すことが可能だという。
Bは、その映像を投稿メールに直し、NTTドコモ携帯から「問題の解答をお願いします」と、aicezukiの匿名でヤフー知恵袋へ投稿する。
ヤフー知恵袋を見た第三者たちが、この問題の答えをサイトへ書き込むと、これをBが見て、Aが装着しているコードレス・イヤホンに「答えは、〇〇だよ」と、伝える。
このようなやり方で、Aは、カンニングをし続けていたのではないかと推測されるようだ。
そして、このヤフー知恵袋に投稿された回答と良く似た答えを書き込んでいた受験生が、特定できたそうである。
また、警察は、ヤフー知恵袋投稿者のIPアドレスや通信履歴を調べることで、共犯者についても捜査を進めているとのことである。
この事件により、他の大学入試関係者も試験中の監督官の人数を増やしたり、受験生に携帯電話のストラップを外させるなどの措置を取り始めた。
しかし、携帯電話そのものの持ち込みは、制限できないそうである。
理由は、試験と試験の間の休み時間に、家族に連絡したい受験生もいるとのことで、無下に携帯を取り上げることも出来ないというのである。
何とも、今の受験生は恵まれていると言える。
66年前には、東京大空襲の直後に一人で上京し、がれきがくすぶり続ける中、試験を受けた高校生たちがいたというのに・・・である。
時代が変われば、何もかも変わるものだ。
だが、ここまで事態がこれまでの性善説に基づいた常識を覆して進んでしまうとなると、来年からは携帯電話やその他の通信機器の持ち込みを全面禁止するしかなく、そのためには、金属探知機の導入や警察官の監視等も検討する必要があるのかもしれない。
捜査進捗状況が正しいとして、たった二人の高校生の暴走が、とてつもない迷惑を大学側や受験生たちに被らせる破目になったわけである。
それにしてもだ。
この受験生が、本当にこれだけの名門大学に本気で受かりたいと思っているのだとしたら、それだけの勉強はして来たはずである。カンニングなどしなくても、合格するだけの学力はあったのではないかと思うのだ。
また、万が一、まったく受験勉強などしていなくて、カンニングの手口ばかり考えていたのだとしたら、本当に合格してしまったあと、どうやって大学の勉強について行こうと思っていたのだろうか?
入ってしまえば何とかなる----そう考えていたのだとしたら、彼らは甘すぎる。
これだけの偏差値の高い大学へ入学するには、やはり、普段の勉強がそれなりに出来ないと、とても授業など理解するのは無理だと思われる。
考えてみれば、やることなすことが尽く中途半端なやり口であるとしか言いようがない。
大学は、世の中に五万とあるのだ。
受験生たちには、自分の真の実力に合った大学へ入り、思い切りキャンパスライフをエンジョイして欲しいものである。