人間の出来具合・・・・・1024
~ 今 日 の 雑 感 ~
人間の出来具合
殊に市町村議員選挙に立候補する人たちは、住民たちともごく顔見知りという場合が多いものだが、選挙選では、その顔見知り住人たちが住む場所で、「一票をお願いします」と、自らへの投票を頼むのである。
だからと言って、もちろん、誰が自分の名前を書いて投票してくれたのか・・・などということは判る筈はない。
たとえ親しい間柄とはいえ、必ず自分に一票を投じてくれているものかなど、知る由もないのだ。
しかし、当選、落選には関係なく、自らへの一票をお願いした立場上、投票権のある住人は誰でも自分へ入れてくれているのかもしれない----と、考えるのが道理というものではないのだろうか?
とはいえ、当選後に街で顔を合わせても、ほとんどの議員は知らん顔である。
当選してしまえば、もうあとのことなど知るものかと思っているのだろうが、投票所へ足を運んだ有権者の方はそう単純に割り切れるものではない。
別段なに一つ見返りがあるわけでもないのに、単に意中の候補者に投票するためだけに、投票所までの長距離を歩いて一票を入れに行くのだ。
つまり、当落に関係なく、候補者は皆、街で会う人には区別なくお礼を述べるのが筋なのではないだろうか?
以前、わたしは、県会議員選に立候補したものの落選してしまったある候補者へ投票したことがあった。
その元候補者は、わたしの知り合いでもあったので、偶然某所で会った際、「あなたに投票させてもらったよ」と、話したのだが、相手の反応は、何とも意外なものだった。
「・・・・なに?その話」
わたしは、唖然とした。その人は、たった数ヶ月前の県議選を既に忘れているかのような返事をしたのだ。
落選して恥ずかしいことは判るが、せめて、「ありがとう」の一言ぐらい言ってくれても罰は当たらなかったのではないかと、情けなくなった。
ところが、今日、今回の選挙の候補者の一人が、まったくの赤の他人に向かい、その人が自分への票を入れてくれたかどうかも判らないというのに、「投票所へ足を運んで下さってありがとうございました」と、丁寧にお礼を言ったという話を聞いたのである。
おそらく、その候補者は、連日選挙カーで街中を騒がせ続けたことを踏まえ、道で会う人全員にそうやってお礼の頭を下げていたのだろうと、声を掛けられた人は話していた。
個人の人間性というか、人としての出来具合は、そういうささいなところで決まるものなのであろう。
<今日のおまけ>
雨の中、傘をさしながら散歩をしました。
春の雨にけぶる大松脇の細道を、着物姿の若い女性が雨傘を手に、足早に通り過ぎて行きました。
まるで、ドラマのワンシーンのような趣のある一瞬でした。
温泉街には、こんな風景が自然と似合います。
春雨や 和服美人の 紅鼻緒
ところで、この辺で、しばらくナガブロをお休みさせて頂きます。
近頃、少し疲れ気味ですし、ネタ切れの感もありますので、また気が向いたら書き始めたいと思います。
長野市民新聞連載中の「地域医療最前線~七人の外科医~」は、鋭意執筆しておりますので、何卒引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。
では、また・・・・。
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