何故、いま歴史時代劇なのか?・・・・・1030

ちよみ

2011年05月08日 18:14

~ 今 日 の 雑 感 ~



何故、いま歴史時代劇なのか?




    今、NHKの大河ドラマに戦国時代に活躍した郷土の英雄を取り上げて欲しいという嘆願が、署名と共に、多くの自治体や民間の有志からNHKへ届けられているそうですね。

    長野県からも「日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)真田幸村」、「日義木曽義仲公」、「名君 保科正之公」などを主人公とする大河ドラマをぜひ放送して欲しいという申し出を行なっているそうです。

    では、何故、今こうした戦国武将たちが脚光を浴びているのでしょうか?

    その理由について、日本中世・近世史の研究者である信州大学副学長(昨年9月現在)の笹本正治さんは、新聞のインタビュー記事で次のように述べていました。

    「ブームで多くの人が歴史に興味を持つのは大変いいことだと思います。閉塞感があり、未来に対する自信が持てない今の日本では、夢を過去に追い求めたいという気持ちや、戦国時代や幕末に新しい社会を作った人への期待が、ブームの背景にあるのだと思います」

    つまり、今の時代は多くの人が未来に希望が持てないために、過去の日本の強さやロマンにすがろうとしているのではないかということでしょう。

    しかし、そんな人々が懐く歴史感は、その時代の真実の姿を映し出しているものではなく、現代人の価値観を投影して作り上げられている想像物にすぎないと、笹本さんは話します。

    歴史小説やドラマは、決して事実ではなく、過去になってから作られて来た物語的要素を土台にしている物が大半なのです。

    そのため、それらの歴史上の人物たちの等身大の姿をNHKでは放送して欲しいと考える人たちの思いがどれほど強くても、長い間のうちに日本人の先入観として刷り込まれてしまった人物像を覆すことは、至難の業だといえるのかもしれません。

    それがために、歴女ブームの火付け役ともなった「天地人」が大河ドラマとして放送されるまでにも、「直江兼続公をNHK大河ドラマに推進する会」が立ち上がってから、作家の火坂雅志さんに小説を依頼するなどして努力した結果、ようやく10余年がかりで実現したのだということでした。

    郷土の歴史的人物が大河ドラマで取り上げられれば、その土地の知名度も上がり、観光の活性化にも大いに役立つことでしょう。

    しかし、それには、やはり多くの人たちがその人物を心から魅力的だと感じなくてはなりません。

    特に、若い女性たちの支持は絶対的に不可欠です。

    今や、熱意と正論だけではブームは維持できないという時代なのかもしれません。







    



<今日のおまけ>

    今は、空き家同然となっている叔母の家の土台に、何者かが鮮やかな空色のペンキを塗った。

    それも、液だれ一つしていない正にプロの仕事のように、20センチ幅で横一線塗られているそうである。

    誰が何の目的で塗ったのか、親戚は想像しているが、良く判らない。

    落書きの類とも言えないようだ。

    誰かが自分の家のペンキを塗ったのちに、余った残りを塗ってみたのか?

    何とも不可解なペンキである。


関連記事