話したい人が増えている
話したい人が増えている
ホームセンターの駐車場で、買った品物を自動車の荷台へ積み込もうとしていたところ、突然、後ろから声をかけられた。
振り向くと、見知らぬ男性が自転車に乗ったままの体勢で、
「あんたの車、古いねェ。買いかえれば」
と、言う。
どうして、まったく見ず知らずの人からそんなことを言われなければならないのか・・・と、思いながら苦笑いをしてやり過ごそうとしたが、その男性は立ち去ろうともせずに、
「隣の車みたいに新しいのに替えれば」
と、さらに続ける。
もしや、自動車のディーラーか?----いや、とてもそうは見えないが・・・。
「お金がないので新車なんか買えません」
そう突っぱねて、あとは無視することにした。
近頃は、意味もなく赤の他人に話を振って来る人たちが増えて来たそうだ。
近所の商店の奥さんが言っていたが、「〇〇下さい」と、店へ入って来た客がいたので、商品を包んで出したところ、その客は自分の身の上話を長々としゃべったあげく、
「あ、財布を車に忘れて来た。これ、今日はいいわ。また来る」
そう言って、商品は受け取らず、代金も払わずに逃げるように出て行ってしまったのだそうだ。
また、ある時は、店の品物について根掘り葉掘り訊ねたあげく、何処そこの店の物はここのよりも値段が高かったなどとさんざん知識をひけらかしたのち、やはり、買わずに出て行ってしまった人もいたらしい。
近頃は、とにかく誰かに自分の話を聞いてもらいたいと思っている人が多くなったのではないか----と、その奥さんは話す。
相手は誰でもいいから、思いの丈をぶつけたいと考えている人たちが増えているのかもしれない。
一人暮らしの人などは、下手をすれば一日中誰とも会話をしないまま過ごすということも珍しくはないそうだ。
間違い電話でもいいからかかって来ないかな----などとも思うらしい。
二十年ほど前までは、東京などの大都会に住む人たちが自分たちの孤独さを嘆いていたものだが、今やこんな田舎にまでも無縁社会の歪が忍び寄ってきているのだなァ・・・と、思った。
<今日のおまけ>
サッカーJFL松本山雅のDF松田選手が練習中に倒れ、心肺停止状態で信大病院へ搬送されたそうですね。
医師の会見では、急性心筋梗塞を発症したとのこと。
当時、梓川グラウンドの気温は24度。
それほど暑いという訳ではなかったそうですが、ランニング中に受け身を取るような格好で倒れたのだとか・・・。
何が原因だったのでしょうか?
心配です。
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