~ 今 日 の 雑 感 ~
延徳(えんとく)たんぼのお巡りさん
あるブロガーさんのブログ記事に、豪雨の日に出会った不思議なお巡りさんの話が載っていました。
これを読んだ時、思い出しました。
実は、わたしにも、これと似たような経験があったことを・・・・・。
もう、かなり前の話ですが、わたしが、まだ、新聞社へ勤めていた頃のことです。
取材のため、中野市の延徳(えんとく)という地区を、わたしは一人、軽自動車を運転して走っていました。
延徳地区は、広大な田んぼが幾つも広がる、長野県内でも有名なコメの生産地です。季節は、夏だったと記憶しています。午後の、カンカン照りの農道を、わたしは、のんびりと車を走らせながら、取材先まで行く途中でした。
取材先との約束の時間までには、まだ間があったので、それほど急ぐ必要もありませんでした。
わたしの他には対向車もなく、人っ子一人見えません。正に、他には誰の姿もない炎天下の田舎道を、ノコノコと走っていた訳です。
やがて、ずっと遠くの陽炎の揺らぐ路上に、一つの人影が現われました。近付くにつれて、その人影が男性警察官であることが判りました。そばにパトカーがある訳でもなく、その警察官は、たった一人で田舎道に立っているのです。
わたしの自動車が、警察官の近くを通り過ぎようとした時、いきなり彼は、両手を広げてわたしを止めにかかりました。
いったい、何なのだろうと、不審に思いながらも、わたしがブレーキを踏むと、彼は、運転席側の開けられた窓へ近寄り、
「何処へ行くんですか?」
と、訊ねて来たのです。わたしは、車内冷房があまり好きではないので、真夏でも、自動車の窓を全開にして走ります。
「仕事で、〇〇まで行きます」
と、答えると、三十代と思われるその警察官は、今度は、免許証を見せて下さいと、いうので、これには、さすがに、わたしも、ちょっと躊躇いました。
だって、こんな人気のない一本道で、警察官がひとり、何のために立っているのか・・・・?しかも、いきなり呼び止めて、行き先をら訊ねるなんて不自然だと、思ったわたしは、免許証をカバンから取り出しはしたものの、警察官には渡さずに、彼の目の前に提示するだけにしました。
警察官は、それを見て、
「-----いいですよ。行って下さい。気を付けてね」
と、笑顔で言うので、わたしは、そのまま自動車を発進させました。それにしても、奇妙な感じがどうしても拭えず、少し走ったところでおもむろに、バックミラーで、その警察官の様子を確認しようとしました。
ところが、
「---------?」
おかしなことに、その警察官の姿は、既に何処にも見えなかったのです。何処か、別の場所へ行ってしまったにしては、行動が素早すぎます。あまりに変だと思ったので、わたしは、いったんその場に自動車を止めて、後ろを振り返り、じっくりと今来た方角を見ました。しかし、やはり、その警察官の姿はありませんでした。
「消えた----!?も、もしや、キツネか?」
一気に、気味が悪くなったわたしは、すぐさまそこから走り去りました。
でも、帰りは、やはり、また警官がいた場所を通らなくてはならない訳で・・・・・。
しかも、仕事が終わると、辺りはもう薄暗くなり始めていたため、わたしは、かなり遠回りになると思ったのですが、別の道を通って会社へ戻りました。
それにしても、あれは、不思議な警察官でした。真夏の白昼夢-------?今でも、そんな気がしてなりません。
<今日のおまけ>
「茶碗蒸し」が食べたくなって、でも、いちいち蒸し器を出したり、だしを取ったり、面倒くさいので、何とかもっと簡単に短時間で出来る方法はないだろうかと考えた。
そこで発見したのが、電子レンジで作る方法だ。まず、卵二個をどんぶりに入れてよく溶き、市販のめんつゆ、砂糖少々を入れてお湯を適宜そそぐ。もう一度かきまぜたら、キノコでも、銀杏でも、青菜でも、既に火を通してある物なら何でもいいのでそれを加え、ラップはせずに、電子レンジで約三十秒チンする。
出来れば、目を離さずに、電子レンジの中の様子を見ていて、どんぶりの中の液体がなくなったかな-----と、思ったところで、取り出すと、見た目はさほど良くないが、まあまあ食べられる「簡単茶碗蒸し」が出来上がる。
器も一つで出来るので、洗い物も少なくて、かなり手軽である。
正に、ズクなし料理の決定版といったところである。