マタニティーマークは必要か?・・・・・159
~ 今 日 の 雑 感 ~
マタニティーマークは必要か?
「マタニティーマークは必要だと思いますか?」
わたしの母たちのような年配の女性にこの質問をすると、三人に二人は、「いらないんじゃァないの」と、答えるといいます。女性がお腹に子供がいるなどということは、世間的にもみっともないことだと思われていて、妊婦は人さまの目に触れるものではないと、言われながら育ってきた世代ですから、お腹に子供がいることを公表しながら街を歩くなど、言語道断、女の恥だと思う人も多いようです。
それだけではなく、次第にお腹が大きくなって来た時に、電車やバスのシートに腰掛けるのは、むしろ苦痛だという理由を上げる人もいました。
信濃毎日新聞の記事を読んでも、この「マタニティーマーク」の存在は、まだまだ世間に認知されておらず、妊娠中の女性記者がこのマークを付けて公共の乗り物に乗ると言う試みをした時も、乗客に席を譲ってもらえたのは、実験を始めてから十三日目だったそうです。
それまでは、ほとんどの乗客が、その女性記者のマークに気付きながらも、眠ったふりをしたりして、無反応だったといいます。しかし、それは、単にマークの認知度が未だに薄いということばかりが原因なのでしょうか?わたしには、どうも、そればかりが理由だとは思えないのです。
そういう妊婦を見ても、積極的に席を譲る気になれないというのは、特に、男性に限って言えば、恥ずかしさの方が先に立つのではないかと思うのです。女性に親切にするということは、日本の男性のもっとも不得手とするところです。もしも、その妊婦に席を譲った時、周りの人たちから、「あいつ、妊婦なんかに親切にして、気があるんじゃないのかね」などと、あらぬ穿鑿(せんさく)をされるのも馬鹿馬鹿しいですし、「格好つけやがって」などと、反感を買うのも気持ちの良いものではないはずです。
また、女性が相手の場合では、冒頭書いた年配の女性たちのように、「大きなお腹で人前になんか出るものじゃないわ」とか「甘えるんじゃないわよ」という気持ちで、席を立たないという人もいるでしょうし、中には、記事中にもあったように、「まるで妊娠を自慢しているみたい。当てつけのつもり?」と、腹立たしく思う人もいるといいます。
わたしが、かつて話を聞いた男性の中には、露骨に「妊婦は気持ち悪い」と、言った人さえいました。(う~ん、年配の男性には、そういう考えもあるんですね~)
わたしは、この記事で、あえて「アンチ・マタニティーマーク派」の思いを書かせて頂きましたが、世の中は、建前だけでは前に進みません。そういう人々の本音にもしっかり耳を傾けなければ、こういう活動の認知度はいつまでも上がらないものと思います。
今後、このマークを世の中に浸透させるためには、むしろ、妊婦側からのアプローチも必要なのではないかと思うのです。
「すみません。わたし、お腹に子供がいるのですが、椅子に掛けさせて頂けないでしょうか?」
そう言われて、「いやです」という人は、まずいないと思います。自分の方から、席を譲ることには抵抗があっても、頼まれれば拒否は出来ないものです。ですから、女性の方も、常に受け身で相手の親切を待つのではなく、ある程度の勇気や積極性は必要なのではないかと思いました。
<今日のおまけ>
9月16日の特別国会での首相指名選挙で、自民党は、長野県選出参議院議員の若林正俊・自民党両院議員総会長に投票することを、決めたそうですね。
若林さんといえば、政府内で農水大臣や環境大臣を務めましたが、「困った時の若林」と、いわれるほど、ピンチヒッター的要素が大きかった人です。
その敵を作らない温厚な人柄が、そういう役割を与えられる素因にもなっているのでしょうが、またもや、自民党は、若林さんを代打として担ぎ出すつもりのようです。参議院から総理大臣候補が出るなどということは、自民党とすれば異例でしょうが、ここまで、若林さんを緊急時に使って来たのです。
だったら、いっそのこと、総裁にして差し上げてもいいのでは?
どうせ、総理大臣になんかなれないのだから、誰の名前でもいいさ-----では、なんだか、信州人が軽く見られているようで、切ないです。
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